ロマンス詐欺救済うたい名義貸し、元弁護士に有罪判決…１８００万円の着手金集める

大阪地裁

　ロマンス詐欺の被害金回収を巡り、広告会社側に弁護士名義を貸したとして、弁護士法違反（非弁提携）に問われた元弁護士の川口正輝被告（３９）の判決で、大阪地裁は１８日、懲役２年、執行猶予３年（求刑・懲役２年）を言い渡した。中井太朗裁判官は「弁護士に対する信頼を大きく損なわせる悪質な犯行」と述べた。

　判決によると、川口被告は弁護士名義を広告会社側に貸し、２０２２年１２月～２３年７月、詐欺の被害者１７人に被害金の回収手続きを助言させ、着手金として計約１８００万円を集めた。

　中井裁判官は、川口被告が名義貸しで利益の３割を受け取ったとして「強い非難に値する」と指摘。一方、被告の財産から被害弁済がされる可能性があるとして、執行猶予が相当と判断した。

　川口被告は今年１０月３０日付で破産手続きの開始決定が確定し、弁護士法の規定で弁護士資格を失った。

　同法違反（非弁活動）に問われた広告会社側の４人にも有罪判決が言い渡されている。