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オフィス家具大手イトーキ、運送業者に対価払わず一部「ただ働き」常態化か…公取委が警告へ

読売新聞 / 2024年11月19日 5時0分

 商品の配送を委託した運送事業者に正当な対価を支払わなかったとして、公正取引委員会は近く、東証プライム上場のオフィス家具大手「イトーキ」(東京都中央区)に独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで警告の行政指導を行う方針を固めた。荷主による不当な圧力を禁じる「物流特殊指定」による警告は15年ぶりで、物流業界に広く残る慣習的な取引環境の是正を促す狙いがある。

 関係者によると、同社は全国の企業や事業所から発注を受けたオフィス用の机や椅子、収納用品などの配送や現地での取り付け作業を数十社の運送事業者に委託。年度末の繁忙期などに委託先の運転手が契約で定めた時間を超えて働いても、「残業代」を支払っていなかったという。

 また、家具をトラックに積み込んだり、段ボールを物流センターに返却したりする「配送業務以外」の作業を無償で行わせ、本来なら別途発生する対価も支払うことがなかったとされる。こうした「ただ働き」は、委託が始まった当初から業界の慣習として常態化していた可能性が高い。

 イトーキは事実を認め、不利益を受けた運送事業者に対し、本来受け取れるはずだった報酬との差額を全額支払う方針という。

 物流特殊指定を適用した警告は2009年4月以来で3件目。公取委は今年6月、運送代を一方的に減額したなどとして、住宅設備卸大手に対する立ち入り検査を実施した。

 トラック運転手不足が深刻化する「物流2024年問題」で運転手の待遇改善が喫緊の課題となる中、有力企業に厳格な姿勢を見せることにより、業界全体での不当行為の排除と再発防止を目指す考えとみられる。

 イトーキの23年12月期の年間売上高は931億円。取材に「調査は今年6月頃に始まり、必要な協力を続けている。具体的なやり取りは答えられない」とした。

◆物流特殊指定=取引上の立場が強い荷主の圧力による物流事業者の不利益を防ぐため、2004年4月に運用を開始。報酬の減額や買いたたき、物品購入の強制など九つの禁止行為があり、違反が認定された場合は排除措置命令が出る。

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