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男性のDV相談、昨年度は最多…福岡県の2019年調査では「8人に1人が被害」経験ありと回答

読売新聞 / 2024年11月19日 14時53分

行政の窓口に寄せられたDV被害の相談件数と男性の相談割合

 国が主唱する「女性に対する暴力をなくす運動」(12~25日)に合わせ、各地でDV(配偶者や恋人による暴力)防止を呼びかける啓発活動が行われている。福岡県によると、県内のDVに関する相談件数は、近年高止まりの状態が続いている。その一方で、昨年度は男性の相談が過去最多となるなど、性別を問わずに問題は広がっており、県は「一人で悩まずに相談してほしい」と呼びかけている。(山本光慶)

 「DV防止キャンペーンです」「男性の8人に1人が被害にあっています」。運動初日の12日朝、福岡市・天神の西鉄福岡(天神)駅前では、県や自治体の職員ら約20人がイメージカラーの紫ののぼり旗や横断幕を掲げ、相談窓口を記したカードを通勤客らに配って回った。

 活動に参加した大野城まどかぴあ男女平等推進センター(大野城市)の池辺幸子・所長は「DV被害の自覚がある人は、まだ少ない。より多くの人に被害について知ってほしい」と話した。

 県によると、DVには、▽身体的(殴る、突き飛ばす)▽精神的(無視、ののしる)▽性的(性行為を強要する)▽経済的(生活費を渡さない)――などがある。県が2019年に県内の約1500人に行った調査では、女性の27%、男性の13%にDV被害の経験があると答えた。

 昨年度までの5年間に県や福岡、北九州の両政令市の窓口に寄せられた相談件数は約2100~2200件で推移し、高止まりしている。男性の相談は増加傾向にあり、昨年度は189件(前年度118件)に上り、資料が残る11年度以降で最多となった。

 県男女共同参画推進課の笠由美子係長は、加害者へ出される接近禁止命令の期間延長などを定めた改正DV防止法に触れ、「法改正などにより、男性の意識や関心も高くなっているのではないか。啓発を通じ、暴力を認めない社会となるよう取り組みを進めたい」と話す。

 運動期間中、福岡市の旧県公会堂貴賓館(20、25日除く)や春日市のクローバープラザでは、パープル・ライトアップが行われる。

 相談は、「県女性サポートホットライン」(070・4442・3893、毎日午前9時~午後5時)、「男性DV被害者のための相談ホットライン」(070・4410・8502、火、木曜午後6時~9時、土曜午前10時~午後1時)などへ。

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