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兵庫県知事選で再選の斎藤前知事「民意を得た」…失職から1か月半、県議・職員は戸惑いや不安

読売新聞 / 2024年11月19日 7時43分

 兵庫県知事選で再選した前知事の斎藤元彦氏(47)は18日の記者会見で、「民意を得た」と強調し、県議会や県職員との関係改善に自信を見せた。失職から1か月半余りでの知事復帰に、県議らからは戸惑いや不安の声が聞かれた。

 「県民は政策や公約の達成を期待している。県政運営を全力でやっていく」。斎藤氏は神戸市内で開いた記者会見で、19日から任期が始まる2期目に意欲を示した。

 斎藤氏はパワハラなどの疑惑を内部告発された問題を巡り、9月19日に県議会から全会一致で不信任決議を受け、同30日に失職した。県議からは「これ以上県政を担うのは不可能だ」などと厳しい批判を浴びた。

 斎藤氏は記者会見で、県議会との関係について「新たな民意を受けた後で、これからどうなっていくのか見定める必要がある」と指摘した上で、「多くの県議は元々、私の政策や予算にすごく共感していただいている。各会派とコミュニケーションを取れば大丈夫じゃないかと思う」と説明した。

 「職員とは日々の仕事で密に連携していく」と語った斎藤氏。「若手職員とのミーティングは早い段階に何かしらの形で実現したい」と意欲を見せる一方、「民意を得て再び知事として就任するので、職員の皆さんは一緒にやっていくことが地方公務員としての責務だ」とも語った。

 内部告発問題については、「県としての対応は適切で、法的にも問題はなかった」と述べ、従来の主張を繰り返した。

 県議会では、斎藤氏との関係を再構築しようという動きが出ているが、戸惑いも隠せない。

 最大会派・自民党県議団の北野実幹事長は取材に、「民意は真摯しんしに受け止め対応していく。県政の混乱を収め、安定させたいという思いは同じだ」と述べた。

 自民は知事選で独自候補を立てることができず、県議の一部は前同県尼崎市長の稲村和美氏を支援したが、斎藤氏についた県議もいた。

 ある県議は「まさか斎藤氏が当選するとは思わなかった。独自候補を擁立できなかったのが誤算だった」と語った。「知事選で不信任が否定された」として、候補者を立てられなかった執行部の責任を求める声も出ているという。

 ベテラン県議は「(斎藤派と反斎藤派で)会派が分裂するのは避けなければいけない」と警戒する。

 一方、第2会派・維新の会の岸口実団長は「県立大授業料の無償化など政策に賛同できるものが多く、協力していきたい」と語り、斎藤氏と協調していく考えを示した。

 パワハラ疑惑を巡っては、県議会百条委員会のアンケートに職員の4割が見聞きしたと回答。斎藤氏自身も、付箋を投げつけたり、机をたたいたりといった行為を認めている。

 ある県幹部は「周りの職員からは斎藤氏からパワハラを受けたと聞いたことがある。民意を得た斎藤氏が、どういう行動を取るのかわからない」と不安を漏らした。

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