山崎賢人がケイリン世界選手権「金」、37年ぶり日本勢優勝…五輪逃した悔しさバネに快挙
読売新聞 / 2024年11月19日 10時20分
パリ五輪を逃した競輪選手が、日本の悲願を達成した。10月にデンマークで行われた自転車トラック世界選手権男子ケイリンで、山崎賢人(31)(楽天Kドリームス)が金メダルを獲得した。ロサンゼルス五輪を目指す山崎は、世界王者のジャージー「アルカンシェル」に袖を通し「まだまだ世界で勝負出来ない。もっと力をつけたい」と話した。
日本発祥の「ケイリン」で日本勢が優勝したのは、1987年の本田晴美以来37年ぶり。決勝レースは残り2周で3番手の絶好の位置を確保し、残り半周で一気に前に出る快勝だった。パリ五輪は代表を逃し、リザーブだったが、「五輪から世界選手権に目標を切り替えた」という山崎。悔しさを抑え、時間をかけて行ってきた調整が実った。
大学まではバレーボールに打ち込んでいた。強豪校出身ではなく、日大でも「控えの控え」。そんな時、先輩に競輪場に連れていってもらったことが転機になった。車券を買うため足を運ぶうちに、「自分も走ってみたいな」と思い、トレーニングを開始。元々、体力には自信があり、試験に一発で合格。粗削りながらもパワーあふれる走りは「競技向き」と評価され、ナショナルチームから声がかかり、プロ競輪と並行して自転車競技を行ってきた。
特徴的なアフロヘアはどんなレース会場でも注目度抜群の人気者。30歳を超えて成長できるのが自転車競技の特徴でもあり、4年後のロサンゼルス五輪の金メダルを見据える。「しっかり実力をつけていきたい。競技と(プロの)競輪のどちらも盛り上げたい」。快挙を追い風に世界王者は、走り続ける。(小高広樹)
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