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温暖化対策の「気候資金」巡り途上国と先進国の対立激化、会期末までの合意見通せず…COP29

読売新聞 / 2024年11月19日 15時34分

閣僚級会合で日本の取り組みを紹介する浅尾環境相(18日、アゼルバイジャン・バクーのCOP29会場で)=天沢正裕撮影

 【バクー=田中洋一郎、天沢正裕】アゼルバイジャンで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は会期後半に入り、途上国の温暖化対策に先進国が拠出する「気候資金」を巡って、増額を迫る途上国と負担増に慎重な先進国側の対立が激化している。22日の会期末までに合意できるか見通せなくなっている。

 気候資金はCOP29の最大の議題で、2025年以降の拠出目標額を現状の年間1000億ドルからいくら上積みするかが焦点となっている。途上国を中心に年間1兆ドル以上の拠出を求める声が広がる中、先進国は経済成長著しい新興国も負担すべきだと主張し、交渉は難航している。

 18日の閣僚級会合では、コロンビアのスサナ・ムハマド環境相が「途上国には再生可能エネルギーを導入するための資金がない」と語気を強めた。ジンバブエやインドの代表も、温室効果ガスの排出削減や温暖化による自然災害の被害軽減を進めるには、先進国による追加の資金援助が必要だと訴えた。

 一方、欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会で気候変動問題を担当するウォプケ・フックストラ氏は同日の記者会見で、世界最大の排出国・中国などを念頭に、「資金負担は、排出量や経済成長に応じて決めるべきだ」と述べた。欧州各国はロシアの侵略を受けるウクライナへの支援が重荷になっているとの事情も明かした。浅尾環境相は同日夕、中国の代表団と面会し、気候資金の拠出に協力するよう要請した。

 会議をとりまとめる条約事務局のサイモン・スティル事務局長は「はったりや脅しを使った交渉で時間を浪費してはならない」と苦言を呈し、各国に妥協を求めている。

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