真夏の炎天下で屋外作業、くも膜下出血発症し死亡…大阪地裁は労災認めず

大阪地裁

　兵庫県伊丹市の建築会社で働いていた男性（当時４４歳）が死亡したのは長時間労働や真夏の炎天下での作業が原因だとして、遺族が労災と認めなかった国の処分を取り消すよう求めた訴訟の判決が２１日、大阪地裁であった。横田昌紀裁判長は遺族の請求を棄却した。

　訴状によると、男性は２０１６年から勤務し、防水工事などを担当していたが、１８年８月、屋外作業中にくも膜下出血を発症し、同９月に亡くなった。伊丹労働基準監督署は１９年６月、発症直前２か月の時間外労働が過労死ライン（月８０時間）に満たないとし、妻（４９）の労災申請を認めなかった。

　遺族側は、時間外労働が過労死ラインに近いほか、日差しが強く、気温が３０度以上のベランダなどで連日作業をしていたとし、「労災の判断に考慮すべき過酷な環境だ」と主張していた。