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東大大学院生、箱根駅伝の学生連合メンバーに…「人と走っていると速く走れるのなぜ?」との疑問から論文執筆

読売新聞 / 2024年11月21日 14時45分

箱根駅伝予選会で個人60位だった東大大学院の古川大晃選手(中央)

 来年1月2、3日の第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)にオープン参加する関東学生連合チームのメンバーに、東京大大学院博士課程4年の古川大晃ひろあき選手(29)が選ばれた。来年春からは京都工芸繊維大で博士研究員となる予定で、「心残りがないように、自分の最高の走りがしたい」と意気込んでいる。

 熊本・八代高から熊本大に進み、4年生の時に卒業論文のテーマを決める際、長距離ランナーとして「人と走っていると楽になったり、速く走れたりするのって、なんでなんだろう」という疑問を突き詰めたいと考えた。そのテーマを九州大大学院、東京大大学院でも研究し続け、現在は「知覚情報に基づいた陸上競技走者間の身体間相互作用」というテーマで博士論文を執筆中だ。

 京都工芸繊維大では、歩行者の集団行動に関する群集実験を行い、ユニークな研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」を2021年に受賞した村上久助教の下で研究を続ける。「イグ・ノーベル賞と言わずに、ノーベル賞を狙って、しっかり研究していきたい。スポーツ科学畑からノーベル賞を出したい」と夢を語る。

 理論を実践に生かし、選手としても成長してきた。東京大大学院に入ってからは、箱根駅伝予選会に参加。1年生の時は88位、2年生の時は100位となり、関東学生連合のメンバー入りを果たした。しかし、チームの中ではそれぞれ14番手、13番手の順位で、10人の出走選手には選ばれなかった。

 3年生だった前回は第100回の記念大会で、出場校数が20から23に増えた代わりに連合チームが編成されない不運もあった。今年10月の予選会では60位。連合チームの中では上から5番目のタイムで、出走に大きく近づいたといえる。連合チームの小指こざす徹監督(東京農業大監督)は「最年長でもあるし、文武両道で頑張っている」として、古川選手をキャプテンに指名した。「しっかり今回は走って、自分の中で満足のいく成果を出してもらいたい」と期待している。

◆関東学生連合チーム=箱根駅伝予選会で本大会の出場権を得られなかったチームから、予選会の成績などを基に選手が選ばれて編成される。本大会にオープン参加し、記録はチーム、個人ともに参考記録となる。

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