海水で原料まで分解「新プラスチック」開発…海洋生態系に悪影響「マイクロプラ」抑制に期待
読売新聞 / 2024年11月22日 4時0分
理化学研究所などのチームは、海水に入れると分解され、自然に戻る性質を持つ新たなプラスチックを開発したと発表した。海洋を漂うプラスチック由来の微粒子「マイクロプラスチック」による生態系への影響が世界的に懸念される中、環境汚染の抑制効果が期待できるという。論文が22日、科学誌サイエンスに掲載される。
従来のプラスチックは石油が主原料で、海中で分解されず、半永久的に残存してしまう。そのうちマイクロプラスチックは、大きさ5ミリ以下の微細なプラスチックの粒子。プラスチック素材のごみが海に流出し、紫外線や波の力の影響で細かく砕けてできる。
チームは、食品添加物などに用いられる2種類の物質を混ぜ合わせ、分子が連結した集合体「超分子ポリマー」のプラスチックを開発した。このプラスチックを塩水に入れたところ、原料にまで分解され、マイクロプラスチックを生み出さなかった。
チームを率いた理研の相田卓三グループディレクターは「原料が安く、従来のプラスチックよりもリサイクルしやすい。燃えないため、温室効果ガスを出さない利点もある」と話す。
東京大の伊藤耕三特別教授(高分子材料)の話「画期的な成果だ。将来的には、感染症対策の
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