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日本人の短期訪中のビザ免除、中国が再開へ…日本側は中国人訪日ビザの申請簡素化で調整

読売新聞 / 2024年11月22日 5時0分

握手する石破首相(左)と習近平中国国家主席(15日午後、ペルー・リマで)=川口正峰撮影

 【北京=東慶一郎、川瀬大介】中国の習近平シージンピン政権が、日本人に対する短期の訪中ビザ(査証)免除措置を再開する方向で最終調整していることが関係者への取材で分かった。ペルーの首都リマで15日に行われた石破首相と習国家主席との会談で「戦略的互恵関係」の推進が確認されたことを受けた動きとみられる。

 複数の中国の大手旅行会社には、早ければ11月中にも再開が発表されるとの情報が中国政府側から入っているという。

 観光や商用などでの短期(15日以内)訪中ビザ免除は、コロナ禍の2020年3月まで日本とシンガポール、ブルネイの3か国だけに認められていた。経済低迷に悩む中国は昨年以降、訪中外国人客の需要を喚起する目的で、欧州や東南アジアを中心とする約30か国に訪中ビザ免除を認めたが、日本に対する措置の再開は認めてこなかった。

 中国でビジネスを展開する日本企業からは中国への出張対応のためにビザ免除を希望する声が多くあり、日本政府は中国側に早期再開を度々求めていた。中国は国内の対日感情を意識して「相互主義」を主張し、日本側に中国人の訪日ビザに関する譲歩を要求した。日本側はビザ免除は受け入れないものの、申請手続きの簡素化を進める方向で調整していた。

 日本に対する訪中ビザ免除は、日本の投資を呼び込みたい中国の地方政府からも再開を求める声が多く上がっていた。中国としても再開が経済的利益になると判断したとみられる。

 習政権は石破氏を、日米同盟の強化を急速に進めた岸田前首相よりも「対中穏健派」とみている。トランプ次期米政権下で米中関係が一層悪化する懸念が強まる中、日本を取り込む思惑もありそうだ。

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