再生可能エネルギー22・9%と原子力8・5%、東日本大震災後で最高…政府の30年度目標は遠く
読売新聞 / 2024年11月22日 5時0分
2023年度の国内のエネルギー需給実績が判明した。発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は前年度より1・1ポイント増えて22・9%となり、原子力が2・9ポイント増の8・5%だった。再生エネと原子力を合わせた脱炭素電源は東日本大震災後、初めて3割を超えた。ただ政府の30年度目標には遠く、達成には一層の上積みが必要となる。
政府は年度内にエネルギー基本計画を改定し、40年度の電源構成目標を示す方針で、23年度の実績を踏まえて詰めの議論を進める。
再生エネのうち、太陽光の電源構成は0・6ポイント増の9・8%、風力は0・2ポイント増の1・1%、地熱が微増の0・3%だった。
原子力は、関西電力高浜原子力発電所1、2号機(福井県)の再稼働などにより、震災後最高だった21年度を上回った。再生エネと原子力の割合はいずれも震災後では最も高く、脱炭素電源は4・0ポイント上がって31・4%になった。
火力発電は4・0ポイント減の68・6%で、震災後初めて7割を下回った。原子力発電が増えたことで相対的に低下した。石炭が1・9ポイント減の28・5%、液化天然ガス(LNG)は0・9ポイント低い32・9%だった。
政府は30年度の電源構成で再生エネを36~38%、原子力は20~22%とする目標を掲げるが、再生エネの伸び率は年1%程度にとどまり、原発再稼働も遅れている。50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラルの達成に向け、政府は脱炭素電源の確保を急ぐ。
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