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ロシアからの「偽情報」が脅威に、スウェーデン心理防衛庁長官「積極的に情報共有を」…日本との連携に意欲

読売新聞 / 2024年11月22日 19時50分

偽情報対策について語るスウェーデン心理防衛庁のマグヌス・ヒョルト長官(14日、東京都港区で)=鈴木毅彦撮影

 ロシアなどから発信される偽情報の脅威に対応するスウェーデン心理防衛庁のマグヌス・ヒョルト長官(59)が来日中の今月中旬、東京都内で読売新聞の取材に応じた。「権威主義国の工作にどう対処するか、日本と知恵を出し合いたい」と述べ、ロシアや中国などと近接する日本政府との連携に意欲を示した。

<政府が国民を裏切っている>など投稿拡散

 ロシアは2014年のクリミア併合で、武力による侵略に、情報戦やサイバー攻撃を組み合わせた軍事戦略「ハイブリッド戦」を展開したとされる。

 ロシアと近接するスウェーデンは、こうした脅威に対応するため、22年1月に同庁を創設。約70人体制で、海外から発信されるSNS上の偽情報の特定・分析や、国民の意思決定への影響調査、国民の情報リテラシーの向上などに取り組んでいるという。

 同国が同年5月に北大西洋条約機構(NATO)に加盟申請した際には、ロシアから<NATOの操り人形><政府が国民を裏切っている>などの投稿が国民向けに発信され、拡散した。

 ヒョルト氏は「この時は大きな影響は出なかったが、偽情報への対応を誤れば、自国の世論が大きく誘導され、海外からの評価にも影響が及ぶ恐れがある。偽情報の脅威にさらされている各国の機関が積極的に情報を共有し、対処していくことが重要だ」と強調した。

 ヒョルト氏は今月中旬、外務省や総務省などで偽情報対策に取り組む担当者と面会。総務省によると、両国で引き続き意見交換していくことを確認したという。(社会部 スタッブ・シンシア由美子)

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