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セブン&アイ買収提案のクシュタール創業者、敵対的買収は「計画にない」…「新社名を考える必要」

読売新聞 / 2024年11月22日 23時23分

店内の様子について説明するアリマンタシォン・クシュタールのブシャール会長(21日、カナダ・モントリオールで)=小林泰裕撮影

 セブン&アイ・ホールディングスに7兆円規模の買収を提案したカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタール創業者のアラン・ブシャール会長(75)が21日、モントリオール近郊で読売新聞などの取材に応じた。ブシャール氏は「新鮮な食品のサプライチェーンが素晴らしい」と評価し、食品事業が買収提案の主な理由だと明かした。一方、敵対的買収は「考えていない」と否定した。(モントリオール 小林泰裕)

手巻き寿司、うどんの味に感嘆

 ブシャール氏は、セブン&アイが競合他社と比べて食品事業に注力していることに触れ、「肉まんやおでんなど多様な食品がある。1日に3回、新鮮な食材が届くシステムは当社にも導入したい」と語った。

 クシュタールの店舗では、生鮮食品の配送は1日1回程度にとどまる。ブシャール氏は過去に6~7回ほど来日したことがあり、セブン―イレブンの手巻き寿司ずしやうどんの味に感嘆したという。

 北米では都市部への人口集中が進んでおり、セブンの都市部での営業ノウハウも取り入れたいと説明した。世界の約1万7000店のうち、ガソリンスタンド併設型の店舗は8割を占めており、脱炭素化が進む中、ガソリンスタンドに依存しない経営モデルにも注目したとしている。

 ブシャール氏は、敵対的買収については「計画にない」と否定し、友好的な対話を目指すとした。過去3回にわたり、買収を提案したことも明らかにした。2005年と20年に次ぎ、今回の提案に至ったという。セブン&アイにこだわる理由について「経営統合で国際的な小売業のチャンピオンになれる」と強調し、「両社名を組み合わせた新たな社名を考える必要がある」と述べた。

 23年の米国内のコンビニのシェア(占有率)は、セブン―イレブンが首位の8・3%で、クシュタールが3・8%で2位だった。両社が経営統合に合意した場合、米国の反トラスト法(独占禁止法)に基づく審査に直面する可能性がある。ブシャール氏は「買収後、規制当局の対応に6か月はかかるだろうが、プランはある」と自信を見せた。

 セブン&アイは、創業家からも経営陣による自社株買収(MBO)の提案を受けており、買収総額は9兆円規模とみられる。取材に同席したアレックス・ミラー最高経営責任者(CEO)(52)は、買収額について「今の金額で十分競争力がある」と述べるにとどめた。また「セブン&アイ全体の買収に関心がある」と話し、一部事業の買収は否定した。セブン―イレブンのブランドについては、「象徴的だ」として維持する考えを示した。

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