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岸田前首相「再起へ地ならし」か…「資産所得倍増」議連を設立、旧派閥メンバーと会食も

読売新聞 / 2024年11月23日 17時15分

資産運用立国議員連盟の設立総会であいさつする岸田前首相。右は自民党の茂木前幹事長(22日、国会内で)=源幸正倫撮影

 自民党の岸田文雄・前首相が、党内での活動を活発化させている。22日には首相時代に訴えた「資産所得倍増」を目指す議員連盟を発足させたほか、最近は旧岸田派のメンバーによる会食も重ねており、党内では「再起への地ならしを進めているのではないか」との見方も出ている。

路線継承 けん制

 「資産運用立国の取り組みは、海外の投資家から高い評価を得てきた。改革の取り組みは継続していかなければならない」

 岸田氏は22日、国会内で開かれた自民党の「資産運用立国議連」設立総会で、こう強調した。岸田氏は、首相在任中の2023年12月に、「資産運用立国」実現に向けたプランを策定し、投資枠などが大幅に拡充された新たなNISA(少額投資非課税制度)創設などの実績を残した。

 議連には、岸田内閣で官房副長官を務めた木原誠二選挙対策委員長や村井英樹衆院議員など、岸田氏に近い議員が名を連ねた。岸田政権の経済政策を引き継ぐとしている石破首相を側面支援するとともに、「岸田路線」がきちんと継承されるよう、けん制する狙いもあるとみられる。

会食も重ね

 少数与党で苦しい政権運営を強いられる石破首相は、党運営で森山幹事長に信頼を寄せる一方、党内基盤の弱さから「熱心に支える議員が少ない」との声もつきまとう。岸田氏は総裁選の決選投票で石破氏支持に回った経緯があり、周辺には「皆で歯を食いしばって(首相を)支える」と語っており、衆院選後は旧岸田派のメンバーと断続的に会食してこうした考えを伝えている。旧岸田派からは、林官房長官や小野寺政調会長、宮沢洋一税制調査会長らを政権に出しており、「主流派」との自負もあるようだ。

 一方、来月には、第2次岸田内閣の閣僚を集めた会合も計画されている。岸田氏が首相だった頃は、前政権だった菅内閣で閣僚を務めた議員らの会合が、政局的な注目を浴びたこともあった。中堅議員は「現状の政権の不安定さは否めず、いつ何があってもいいように、自らの求心力を維持する狙いもあるのではないか」と指摘している。

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