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強面だけどおとなしい性格でサメの一種だけど「シロワニ」…絶滅危惧され生態調査の活動費募る

読売新聞 / 2024年11月24日 13時1分

絶滅の恐れがあるシロワニ(小笠原諸島沖で)=加藤学撮影

 小笠原諸島に生息し、絶滅危惧種に指定されている大型のサメの一種「シロワニ」を保護するため、サメの研究者や小笠原のダイバーらでつくるNPO法人が、謎に包まれたシロワニの生態や個体数を調べる活動費をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 シロワニは体長3メートルほど。豪州の東、西沿岸のほか、国内では小笠原諸島周辺に生息している。鋭い歯を持つ迫力ある面構えとは裏腹に、性格はおとなしい。日中は海底近くでひっそりとしているが、夜になると桟橋付近など浅瀬に現れ、島民たちに親しまれている。

 かつては東シナ海にも生息していたが、2年に1度しか子どもを産まない繁殖率の低さと、刺し網漁の影響などで個体数は減少。IUCN(国際自然保護連合)から絶滅危惧種に指定されている。

 危機感を強めた研究者らは2020年、保護策を検討するため、小笠原のダイバーらと協力して発信器を使った行動調査を実施。今年2月には、NPO法人「小笠原シロワニ保全研究会」を設立した。これまでの調査で秋から初夏にかけて、父島の玄関口の二見港やその周辺のダイビングスポットでの回遊が確認された一方、個体数すらわかっていない状況が続いている。

 CFは、調査を継続・拡大していくために行う。集めた寄付は、〈1〉個体数を推定するための潜水調査〈2〉音波受信機を使った回遊経路の解明〈3〉夏場の滞在場所の調査――に使う予定という。CFを通じて小笠原のシロワニへの関心を高め、将来的には、市民参加型の保護活動につなげていきたい考えだ。

 調査で海中作業を担当する父島在住の写真家南俊夫さん(54)は「シロワニを見続けたい。生き物を守るためにはまずは知ることが必要だ」と語る。NPO代表でマリンワールド海の中道(福岡市)の中村雅之館長は、「海外の生息地では調査が進み、保護策もとられている。国内で保護に取り組むため、まずは個体数を確定したい」と意気込んだ。

 CFの目標額は300万円。寄付額に応じて、NPOのオリジナルステッカーや、小笠原特産の塩と唐辛子、調査結果報告会への招待などの返礼品が用意されている。募集は12月27日までで、目標額に届かなかった場合は返金する。問い合わせはマリンワールド海の中道(092・603・0400)内のNPO事務局へ。

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