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企業・団体献金の存廃、「年内決着は無理」と石破首相…政治資金規正法の再改正へ与野党の隔たり

読売新聞 / 2024年11月24日 9時12分

 与野党が今週にも協議を始める政治資金規正法の再改正で、企業・団体献金を巡る温度差が目立っている。自民党は存続を求めているのに対し、立憲民主党は廃止を訴え、立場の隔たりは大きい。政党が議員に支出する政策活動費(政活費)の廃止など一致点の実現を優先し、対応は棚上げになる可能性も出ている。

対立

 「議論の俎上そじょうに載せないところに疑問を持っている」

 立民の野田代表は22日の記者会見で、自民が政治改革案で企業・団体献金の廃止に触れなかったことについてこう批判した。立民は、企業・団体献金について「腐敗の温床だ」(小川幹事長)として、改革の柱に据えている。

 日本維新の会の藤田幹事長も21日の記者会見で、「立民がやる気になっており、前に進めるべきだ」と述べ、廃止に向けた議論に意欲を示した。

 自民は、会社の政治献金を認めた1970年の「八幡製鉄政治献金事件」の最高裁判決を踏まえ、企業・団体献金は存続すべきだとして対立している。

 森山幹事長は19日の記者会見で、「企業が社会貢献の一環として、自主的な判断で献金を行うことまで妨げるものではない」と述べた。21日の党政治改革本部の総会でも、廃止を求める意見は出なかった。

上限引き下げ案も

 公明党の斉藤代表は16日の記者会見で、企業・団体献金を受けていないことから「廃止しても困らない」と表明しつつ、「政治家同士で議論すると政局と絡む議論になる。(今後設置する)第三者機関で議論するのが良い」と語った。

 国民民主党の玉木代表は、廃止について、「全党一致なら反対しない」との立場だが、存続にも理解を示す。12日の記者会見では「上限を設けることは一考に値する」と語った。年間の寄付総額は、資本金などに応じ750万~1億円が上限で、上限を引き下げることを念頭に置いているとみられる。

一致点を優先

 石破首相(自民総裁)は、政活費廃止など、各党で足並みがそろう項目だけでも実現を急ぎたい考えだ。企業・団体献金については意見の相違を埋めるのは難しいとみており、周辺には「年内は無理だ」との認識を示した。

 立民内では、「企業・団体献金廃止が前進しないのであれば、話し合いは決裂だ」との強硬論がある一方、「見直し可能な部分で成果を得るべきだ」(ベテラン)との意見も出ており、与野党で神経戦が行われそうだ。

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