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琴桜、大関5場所目で初賜杯「そろそろ優勝しないと先代に怒られると思った」

読売新聞 / 2024年11月24日 22時12分

初優勝を飾り、優勝インタビューで笑顔を見せる琴桜関(24日、福岡市の福岡国際センターで)=大久保忠司撮影

 福岡市の福岡国際センターで24日に千秋楽を迎えた大相撲九州場所は、大関の琴桜関(27)(本名鎌谷将且まさかつ、千葉県松戸市出身)が、大関の豊昇龍関(25)を破って初優勝を遂げた。21年ぶりとなった大関同士の千秋楽相星決戦に、鬼気迫る表情で臨み、熱戦の末にはたき込みで破ると、どうだ、とばかりに目を見張った。

 今年5月の夏場所から、横綱だった祖父(先代佐渡ヶ嶽親方)のしこ名「琴桜」を継承し、祖父と同じ大関5場所目で初めての賜杯。優勝インタビューでは「そろそろ優勝しないと先代にも怒られると思った」と苦笑いしつつ、「変な緊張感なく目の前の相撲に集中して、自分らしく相撲を取れた」と振り返った。

 幕内優勝5回の祖父譲りの馬力と、父で師匠の佐渡ヶ嶽親方(56)(元関脇琴ノ若)譲りの懐の深さや体の柔らかさを備える。今年1月末の大関昇進伝達式の際には「(大関に)上がって終わりではない。上を目指す」と公言。土俵に上がる表情は、場所を重ねるたびに厳しさを増した。祖父は「猛牛」と呼ばれたが、若き琴桜関が、制限時間いっぱいを迎えた時に見せる顔は「鬼のようだ」とも称される。

 今場所中、「結果が求められる番付だ」と大関の覚悟を語っていた琴桜関。佐渡ヶ嶽親方は「私も手が届かなかった賜杯をつかんだ。親として、師匠としてうれしい限り。今日はちょっとだけ親にさせてください」と父の顔を見せた。来年1月の初場所(両国国技館)では、いよいよ綱取りに挑む。賜杯を手にしたばかりだが、立ち止まるつもりはない。

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