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「既成政党への反発は想像以上」と自民執行部…名古屋市長選で与野党相乗り大塚耕平氏の大敗に衝撃

読売新聞 / 2024年11月25日 21時32分

名古屋市長選で当選した広沢一郎氏(右)(24日午後8時3分、名古屋市東区で)=青木瞭撮影

 自民、立憲民主、国民民主、公明各党は24日投開票の名古屋市長選で、相乗り推薦した前参院議員の大塚耕平氏が敗れたことに衝撃を受けている。既成政党に対する有権者の不信感の強さが要因になったとの見方が広がっており、各党は来年夏の参院選などに向け、戦略の練り直しを迫られそうだ。

 「各党が推薦し、我が党も強力に支援活動を行ったが完敗だった。既成政党への不信もあろうかと思う」

 公明の斉藤代表は25日、首相官邸で政府・与党連絡会議に出席後、記者団にそう述べた。会議では、自民の森山幹事長が敗北を報告し、「結果を踏まえ、来年の参院選に向けて体制を整えたい」と語った。自民執行部の一人は「何でこんな結果になるのか。既成政党への反発は想像以上で、参院選対策を真剣に検討しないといけない」と漏らした。

 大塚氏は参院愛知選挙区で4回連続当選したベテランで、国民民主の代表代行などを歴任した。今回は、2009年から名古屋市長を務め、市民税減税などの主張で圧倒的な知名度を誇る前市長の河村たかし衆院議員(日本保守党共同代表)との直接対決にもならなかった。それだけに、大塚氏陣営には当初、「相乗りで盤石な戦いだ」との楽観論も飛び交った。

 だが、大塚氏は、河村市政の継承を掲げた元副市長・広沢一郎氏に13万票以上の大差をつけられた。自民の福田達夫幹事長代行は25日の記者会見で、有権者からの不信感について「真摯しんしに考えていくべきだ。党改革が今後必要だ」と強調した。

 とりわけ打撃を受けたのが国民民主だ。元幹部の大塚氏を支援するため、22日に玉木代表と榛葉幹事長がそろって名古屋市に入っただけに、玉木氏はX(旧ツイッター)で「完敗だ」と認めざるを得なかった。党内では「衆院選で躍進した勢いがそがれた」との声が出た。

 市長選を静観した日本維新の会の馬場代表は取材に「衆院選を戦った与野党同士が手を握ったことに、有権者は『既成政党は何をしているのか』と怒っている」と語った。

 一方、市長選では、SNSで大塚氏に対し、「増税派」などとレッテル貼りを狙ったような攻撃も目立った。広沢氏が「減税」を看板とするだけに、一定の効果があったとみられる。榛葉氏は「SNSの情報発信やその信ぴょう性は何らかの形で検証する時代に入った」と指摘する。

 与野党からは悪質な偽情報への規制などを念頭に対応を求める意見も出ている。公明の西田幹事長は25日の政府・与党連絡会議で「選挙を巡るネット上の偽・誤情報の悪影響について深く議論し、研究していく必要がある」と提起した。政府には「情報空間の健全性確保の検討を進めてもらいたい」と注文をつけた。

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