政治資金規正法 再改正で透明性が高まるのか
読売新聞 / 2024年11月26日 5時0分
政治資金の透明性を高めることは大切だが、この問題ばかりに時間を割くわけにはいかない。
与野党の協議で早期に一致点を見いだして決着を図り、28日から始まる臨時国会では、国政の課題について論戦を深めるべきだ。
政治資金規正法の改正に向けて、自民党が改革案をまとめた。柱は、政党が国会議員に支出している政策活動費の廃止だ。
政策活動費は使途を公開する必要がなく、自民は、選挙のてこ入れや海外の要人との会食などに年間10億円前後を使ってきた。
廃止といっても、資金の支出先を議員個人ではなく、主に政党支部に変更するだけで、支出自体をなくすわけではない。支部長は議員であり、支部への支出は事実上、議員への支出とも言える。
自民はこの支出を、新設する第三者機関の監査の対象とすることで、透明性を確保する方針だ。
ただ、それなら政策活動費をそのまま維持し、第三者機関の監査を受ければ済むのではないか。改革案は、野党の批判をかわすための
立憲民主党や日本維新の会などもこれまで政策活動費を使ってきた。自民は改革に消極的だ、と主張する資格が野党にあるのか。
改革案はまた、外国人や外国法人による政治資金パーティー券の購入禁止を明記した。政治献金と同様にパーティー券を扱うことは妥当と言えるが、実効性をどう保つかは課題となる。
近く始まる与野党協議で最大の焦点になるのが、企業・団体献金を禁止するかどうかだ。
立民や維新などは「腐敗の温床だ」として企業や業界団体などからの献金の禁止を掲げている。自民は「個人献金は善、企業・団体献金は悪という立場はとらない」として維持を主張している。
ただ、立民も、団体献金のうち、政治団体が行う献金については容認する方針だ。労働組合が設立した政治団体から献金を受け続けることを想定しているようだが、ご都合主義が過ぎる。
仮に企業・団体献金を禁止した場合、その役員らが個人として献金することまで規制するかどうか、といった論点は残る。
浄財を集める手段を狭めれば、世襲議員や資産家のような人物しか政治を志せなくなるのではないか。それが妥当とは言えまい。
政治資金規正法は6月に改正されたばかりだ。立法府がいつまでも自らの資金のあり方を議論しているようでは困る。
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