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[陸奥讃歩]美しい道 未来へつなげ

読売新聞 / 2024年11月27日 5時0分

田束山の遊歩道「行者の道」で、海外のボランティア参加者と記念撮影する千葉さん(中央)

カリタス南三陸代表理事 千葉道生さん 46

 2011年より、南三陸町災害ボランティアセンターに通って活動を続けてきたご縁から、同町内の「みちのく潮風トレイル」開通のボランティア活動に協力させていただくことになりました。

 スペイン北部のサンティアゴ・デ・コンポステーラの道を08年に約1か月半かけて歩いた時、中世の美しい街並みや出会う人々との時間はとても心に残っていたので、まさか自分がそのような道の草刈りや伐採などの活動に携わることになるとは夢にも思いませんでした。

 東日本大震災復興のために歩く道という趣旨もあることから、同町の片付けで一緒に活動した仲間たちと「今も数百年後に歩く人たちも、三陸の景色を眺めながら気持ちよく歩いてくれたらうれしいですね」と、活動後にきれいになった道を見て未来におもいをはせることもあります。

 津波直後の悲惨な状況しか知らないボランティアさんの中には、トレイルの美しい景色を見て涙を流す方や、活動を通してトレイルに興味を持ち、その後歩いた感想を教えてくれる方もいました。

 また今年の夏は、南三陸高校と横浜雙葉ふたば高校の生徒たちと一緒に田束たつがね山で側溝に堆積たいせきした腐葉土の片付けのボランティア活動を行いました。

 生徒たちは互いの学校のことを話しながら活動を通してすぐに仲良くなり、「ボランティア活動が楽しい」と喜んでくれました。若者たちがトレイルの魅力を感じながら活動してくれたことがとてもうれしかったです。

 現在は成り行きで南三陸町からトレイルの保守点検を委託されることになりましたが、ボランティア活動も並行して行い、自分が歩いて気持ちいいと感じられるよう、景色や自然の草花を時折眺め、地域の方やハイカーと触れ合う時間も大切にしています。これからも「みちのく潮風トレイル」が末永く愛される道へと育っていくことを願いながら活動を続けていきたいと思います。

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