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トランプ氏の公判遅延戦術成功…起訴棄却に民主反発「法の上に置く措置だ」

読売新聞 / 2024年11月27日 7時19分

 【ワシントン=淵上隆悠】米共和党のトランプ次期大統領に絡む連邦法違反事件の起訴の棄却は、公判を巡るトランプ氏の遅延戦術が成功したことを意味する。民主党からは、トランプ氏を法の上に置く措置だと批判する声が上がっている。

 次期副大統領のJ・D・バンス上院議員は25日、「起訴は常に政治的なものだった」とX(旧ツイッター)に投稿した。「トランプ氏は大統領選で敗れていたら、残りの人生を刑務所で過ごしていたかもしれない」とも主張した。

 トランプ氏はこれまでに二つの連邦法違反と二つの州法違反の計4事件で起訴された。民主党による「魔女狩り」や「司法の武器化」と訴え、証拠認定や捜査過程を巡って裁判所に異議申し立てを繰り返す遅延戦術を展開した。11月5日の大統領選への影響を最小限に抑える狙いがあった。

 戦術は奏功し、司法省のジャック・スミス特別検察官は25日、大統領選で勝利したトランプ氏に二つの連邦法違反事件で罪を問うことはできないと判断した。裁判所に提出された書面では「この国は、刑事訴追された被告が大統領に選ばれる状況に直面したことがない」と指摘し、苦渋の判断だったことをにじませた。

 民主党は反発している。議会占拠事件を巡る下院特別調査委員会のメンバーだったアダム・シフ下院議員は「司法省は、法の上に立つ者はいないという原則を守ることができなかった」とXで批判した。

 焦点は、二つの州法違反事件に移る。トランプ氏が不倫の口止め料を不正に処理したとして5月に有罪評決を受けたニューヨークの裁判は、量刑言い渡しの延期が続いている。ジョージア州の2020年大統領選の結果を覆そうとした事件は、担当検事のスキャンダルが影響し、公判開始のめどが立っていない。トランプ氏は刑事罰を受けることなく大統領に就任しそうだ。

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