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トランプ新政権、「米国第一」推進の布陣…主要閣僚に忠実な顔ぶれ並ぶ

読売新聞 / 2024年11月28日 0時0分

トランプ氏=AP

 【ワシントン=田中宏幸】米国のトランプ次期大統領は26日、米通商代表部(USTR)代表にジェイミーソン・グリア元USTR高官を指名した。次期政権の経済閣僚が固まり、主要な閣僚が出そろった。トランプ氏に忠実な顔ぶれが並び、「米国第一」政策を推進する布陣となっている。

 トランプ次期政権は、減税や規制緩和などによる経済成長の実現を目指しており、米製造業の保護などのため、高関税政策の積極的な実施も打ち出している。

 グリア氏は、看板となる貿易・関税政策を担う。第1次政権で対中制裁関税の発動を指揮したロバート・ライトハイザー元USTR代表の下で首席補佐官を務めた対中強硬派だ。トランプ氏は25日にメキシコやカナダ、中国への追加関税を表明しており、交渉を担当するとみられる。

 連邦予算や税制改革のかじ取りを担い、経済政策を取り仕切る財務長官には、投資家のスコット・ベッセント氏を充てる。著名投資家ジョージ・ソロス氏のファンドで投資部門の最高責任者を務め、ウォール街にも精通した人物だ。

 通商や産業政策を主導する商務長官には、政権移行チームで共同議長も務める実業家のハワード・ラトニック氏が指名された。新設される「政府効率化省」のトップに就く実業家イーロン・マスク氏は、政府の歳出削減や規制緩和を推進する構えだ。

 トランプ氏は自身の意向に沿う人材で脇を固め、掲げる「強硬策」の実現に向けた環境が整った。一方、米中対立の激化や報復関税の応酬、インフレ(物価上昇)などを招く恐れがあり、歯止め役の不在を懸念する声が上がっている。

 経済閣僚以外では、保守系FOXニュース司会者のピート・ヘグセス氏を国防長官に指名したほか、外交の「司令塔」となる国務長官にはマルコ・ルビオ上院議員の起用を決めている。

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