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斎藤元彦知事、SNS運用は「陣営で主体的にやってきた」…PR会社代表の「広報任された」を否定

読売新聞 / 2024年11月27日 23時55分

記者会見で、違法性について全面的に否定する兵庫県の斎藤知事(27日午後、兵庫県庁で)=八木良樹撮影

 兵庫県内のPR会社の代表が、知事選で斎藤元彦知事から「広報全般を任された」と投稿サイトに書き込んだ問題で、斎藤氏と代理人弁護士が27日、神戸市内でそれぞれ記者会見を開いた。「公職選挙法に抵触するのではないか」との指摘に対し、いずれも違法性を全面的に否定した。

「note」投稿

 問題となっているのは、代表が20日付で投稿サイト「note」に掲載した内容。「SNS運用方針」など、斎藤氏に示したとする資料をアップし、「広報全般を任せていただくことになりました」と発信した。

 総務省によると、インターネットの選挙運動では、業者が主体的に企画立案を行う場合、報酬の支払いは公選法が禁じる買収になる恐れがある。

 斎藤氏は27日、記者会見で「(SNS運用は)基本的に斎藤と陣営で主体的にやってきた」と述べた。続いて記者会見した代理人の奥見司弁護士も「広報全般を依頼した事実はない」と語り、報道陣から「(代表の投稿は)『盛っている』のか」と問われると、「投稿には事実でない部分が記載されており、盛っていると認識している」と答えた。

 代表の投稿では、PR会社の具体的な取り組みとして、「X(旧ツイッター)の公式応援アカウントの立ち上げ」「ポスター・チラシ・選挙公報・政策スライドの制作」「SNS運用」などを挙げた。

 SNS運用では、斎藤陣営のXやユーチューブなど四つのアカウントに関わったとし、「私が監修者として、運用戦略立案、コンテンツ企画などを責任を持って行った」などと紹介した。

「ボランティア」

 これに対し、奥見氏は会見で請求書の写しを配布。斎藤氏側が今月4日、ポスターデザインや公約スライドなど5項目の制作費として、PR会社に71万5000円を支払ったと改めて説明し、「いずれも対価の支払いが認められており、買収には当たらない」とした。5項目以外の代表の関わりについては、「選挙のボランティアだった」と語った。

 代表は県の有識者会議の委員などを務め、3年間で計約15万円の報酬を得ている。公選法には「県と請負など特別の利益を伴う契約の当事者は寄付をしてはならない」との規定があり、ボランティアだったとしても、同法で禁じられた寄付行為にあたる可能性があるとの指摘が出ていた。

 これについて、奥見氏は「(有識者会議の)委員は委任契約で、請負契約ではない」と説明した。

 PR会社が会社として選挙運動をした場合、政治資金規正法で禁じられた会社による寄付ではないかとの指摘もあるが、「(代表は)個人的に斎藤氏の活動を手伝ったもの」と否定した。

公選法に詳しい只野雅人・一橋大教授(憲法)の話「投稿内容が事実なら、PR会社が選挙運動に深く関わったようにみえる。企業が、本来高額なSNSの運用を無償で行うことにも不自然さが残る。斎藤氏側は投稿内容の一部が虚偽だと主張しており、PR会社も記者会見などで説明が必要だ」

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