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加古川女児殺害の容疑者、関与供述から一転黙秘…遺族「全てを正直に話してほしいと思うばかり」

読売新聞 / 2024年11月27日 22時59分

再逮捕され、移送される勝田州彦容疑者(右)(27日午前、兵庫県たつの市で)=渡辺恭晃撮影

 兵庫県加古川市で2007年に小学2年の女児が刺殺された事件で、県警は27日、同県たつの市の女児に対する殺人未遂容疑で逮捕した無職勝田州彦くにひこ容疑者(45)を殺人容疑で再逮捕した。逮捕前の任意聴取では関与を認めたが、再逮捕後の調べに、黙秘しているという。

 発表では、勝田容疑者は07年10月16日午後6時5分頃、加古川市の市立小2年の女児(当時7歳)の自宅前で女児の胸や腹をナイフで刺し、失血死させた疑い。

 勝田容疑者は当時、現場の北東約4キロにある同市内の実家に居住していた。捜査関係者によると、逮捕前の任意聴取に「防犯カメラがない場所で女児を物色した。小柄で抵抗されにくく、好みの服装をした女の子を尾行し、刺した」などと供述し、襲撃時の状況なども詳しく説明していたという。県警は傷口や現場の状況などと矛盾がなく、信用性は高いと判断した。ただ、凶器は見つかっていない上、防犯カメラ映像や目撃証言も乏しい。

 勝田容疑者は、岡山県津山市で04年に小学3年の女児(当時9歳)を刺殺したとして、18年に殺人容疑で逮捕され、昨年9月に最高裁で無期懲役判決が確定し、服役した。

 兵庫県警は今月7日、たつの市の事件に関わったとして勝田容疑者を殺人未遂容疑で逮捕。神戸地検は27日、同容疑を処分保留とした。今後、殺人容疑と一括して起訴の可否を判断するとみられる。

 勝田容疑者は津山市の事件でも供述を変遷させた経緯があり、県警は任意段階での供述の様子を録音・録画していた。

       ◇

 事件の発生から17年。勝田容疑者が27日に再逮捕され、遺族は代理人弁護士を通じ、「全てを正直に話してほしい」などとするコメントを発表した。

 女児は近くの公園から自転車で帰宅したところだった。県警は一時、顔見知りが関与した可能性が強いとみて捜査したが、有力な手がかりは得られず、未解決のまま歳月が過ぎた。

 県警の柱谷昌彦・捜査1課長はこの日、捜査本部のある加古川署で記者会見し、「客観証拠が非常に乏しく、容疑者の特定が難しかった」と振り返り、「絶対に風化させてはいけない事件であり、必ず容疑者を検挙するという信念で捜査にあたってきた」と強調した。

 遺族は事件後、発生時期に情報提供を求めてチラシを配り、10月にも街頭で協力を呼びかけた。母親らはコメントで「娘が殺害されてからの17年間、私たちにとって本当に長い長い月日でした。その月日があまりに長すぎて、突然の展開に対して気持ちが追いついていないというのが正直なところです」と記した。

 また、「(容疑者の逮捕で)『一区切り』という言葉もあるのかも知れませんが、娘が返ってくるわけでもなく、捜査や裁判も続く中で、私たちにとっては何の区切りでもありません。(容疑者には)全てを正直に話してほしいと思うばかりです」とつづった。

 長男(24)が女児と同学年で友達だったという60歳代の男性は「今頃、息子と同じように大人になっていたのかと思うと心が痛む」と話した。

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