韓国ドラマはつらい暮らし耐え忍ぶ糧…脱北の24歳女性、正恩氏に「忠誠心のかけらもない」
読売新聞 / 2024年11月28日 7時6分
北朝鮮を木造船で2023年10月に脱出して韓国に亡命したソウル在住の女性カン・ギュリさん(24)=仮名=が27日、都内で本紙のインタビューに応じた。韓国文化を厳しく取り締まる北朝鮮当局にいらだち、
カンさんは都内で26、27日に行われた北朝鮮の人権をテーマにした映画上映・講演会のために初来日した。
党幹部ら特権層だけが住める
当局の配給はすでに途絶えており、住民はチャンマダンと言われる市場で生活必需品を手に入れていた。「お金が全てを解決する社会だった。大学でも教授に賄賂を渡せば良い成績がもらえる」。カンさんも22年、母親にねだって木造船を購入して船主となり、
14歳から韓国ドラマに慣れ親しんだ。「冬のソナタ」「相続者たち」「梨泰院クラス」と挙げればきりがないが、お気に入りの「キム秘書はいったい、なぜ?」は脱北前夜まで見続けた。
北朝鮮当局の取り締まりにはうんざりした。「通りを歩くたびに警察に呼び止められ、携帯電話の文字メッセージでオッパ(おにいさん)といった韓国式の言葉を使っていないか調べられた」。韓国ドラマを見た若者の公開裁判もあった。「つらい暮らしを耐え忍ぶための糧になっていたドラマ(の視聴)は死んでもやめられなかった」
同年代の若者の夢は自分の幸せだ。「韓国ドラマを見ただけで処刑してしまう正恩氏に忠誠心のかけらもない。当局に盲従しないのが我々世代の特徴であり、北朝鮮社会の変化の始まりだと思う」
カンさんは「韓国に向かう機会をいつもうかがっていた」。23年10月、父母と事業仲間1人とエンジン付き木造船に乗って咸鏡南道の港を出た。「恐怖より喜びが大きかった」。海上の北方限界線(NLL)を越える前に警備艇の追跡を受けたが、高波と夜陰のおかげで逃げおおせた。出港から44時間後、韓国の東海岸の
カンさんは「北朝鮮で韓国が先進国であることを知らない人はいない。しかし、韓国人が我々を同民族とみなして助けようとしていること、韓国に行けば市民権をくれることまでは知らない。それが問題だ」と話した。
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1ミャンマー軍トップに逮捕状を請求 国際刑事裁判所の主任検察官「ロヒンギャの迫害に関与」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月27日 20時47分
-
2米国が日本にミサイルを配備すれば対応する=ロシア外務省
ロイター / 2024年11月28日 0時33分
-
3レバノン停戦、市民に不信感も=「双方が違反する」と懸念
時事通信 / 2024年11月27日 19時55分
-
4韓国ドラマはつらい暮らし耐え忍ぶ糧…脱北の24歳女性、正恩氏に「忠誠心のかけらもない」
読売新聞 / 2024年11月28日 7時6分
-
5中国で拘束の米国人3人解放 バイデン大統領の外交成果に
共同通信 / 2024年11月28日 0時23分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください