神田真人氏、アジア開発銀行の次期総裁に選出…財務官在任中は投機筋をけん制する発言で注目

神田真人氏

　【バンコク＝井戸田崇志】アジア開発銀行（ＡＤＢ、本部・マニラ）は２８日、前財務省財務官の神田真人・内閣官房参与（５９）が次期総裁に選出されたと発表した。

　浅川雅嗣総裁が辞任する意向を表明したことを受けて総裁選挙が実施されたが、立候補したのは日本政府が擁立した神田氏だけだった。６９の加盟国・地域が信任投票し、全会一致で神田氏の総裁就任が承認された。神田氏は２０２５年２月２４日付で就任し、任期は浅川氏の残任期間の２６年１１月までとなる。

　神田氏は財務官の在任中、先進７か国（Ｇ７）の財務相会合など国際会議での議論を主導した。また、急激な円安を是正する為替介入の実務も指揮し、投機筋をけん制する発言を繰り返して注目された。

　ＡＤＢはアジア太平洋地域の開発途上国を支援する国際開発金融機関で、日本は米国と並ぶ最大の出資国。