イトーキに公取委が警告、運送事業者に「ただ働き」…「物流特殊指定」で１５年ぶり

公正取引委員会

　商品の配送を委託した運送事業者に「ただ働き」をさせていたとして、公正取引委員会は２８日、東証プライム上場のオフィス家具大手「イトーキ」に独占禁止法違反（不公正な取引方法）の疑いで警告した。荷主による不当な圧力を禁じる「物流特殊指定」による警告は２００９年４月以来、１５年ぶり。

　発表によると、イトーキはオフィス用の机や椅子、収納用品などの配送や現地での取り付け作業を委託していた約２０の運送業者に対し、運転手が契約で定めた８時間を超えて働いても「残業代」を支払っていなかった。また、家具をトラックに積み込んだり、段ボールや緩衝材を物流センターに返却したりする「配送業務以外」の作業も、夜遅くなどに無償で行わせていた。

　イトーキは不利益を受けた運送業者に対し、本来支払うべきだった報酬との差額を全額支払う方針だ。