名勝・錦帯橋、来春までシートで覆われます…５年に１度の老朽調査と保全工事、渡ることは可能

５年に１度の老朽調査と保全工事を控えた錦帯橋

　山口県や岩国市が世界文化遺産登録を目指す国の名勝・錦帯橋（岩国市）で、５年に１度の老朽調査と保全工事が１２月に始まる。作業用の足場が設置される同月２日頃から工期が終わる来春まではシートで覆われていつもの姿は見えないが、工事期間中も橋を渡ることはできる。

　老朽調査は安全に渡るために橋の状態を調べる健全度調査の一環。目視やハンマーによる打音検査、含水率の測定などを１２月２１～２４日に行い、劣化や腐朽具合を調べる。保全工事は来年３月中旬頃までを予定しており、防腐処理や劣化した部分の補修を行う。

　健全度調査には「強度試験」もあり、９月に実施。岩国高の生徒たち約１３０人が橋に乗って重し役となり、荷重をかけた際の橋のたわみなどを測定した。市は強度試験と老朽調査を早稲田大理工学術院総合研究所に委託しており、分析結果を今年度末に公表する。

　市錦帯橋課は「安全に調査と工事を終えたうえで、桜の時期に足場の取れた錦帯橋の本来の姿を見てもらうようにしたい」と話している。