総裁選出馬9人の昨年収入、トップはパーティー10回超開催の林氏1・1億円…首相・高市氏は下位
読売新聞 / 2024年11月30日 6時54分
29日に公表された2023年分の政治資金収支報告書から、今年の自民党総裁選に出馬した9氏の収入を比較したところ、1回目の投票で4位だった林芳正官房長官が1億1719万円でトップとなり、唯一1億円を超えた。決選投票を争った石破首相と高市早苗・元総務相は下位で、資金力が総裁選の結果に与えた影響は限定的だったようだ。
9氏の収入は、総務省や県選挙管理委員会に届け出た政治資金収支報告書のうち、資金管理団体の収入を比較した。
林氏は東京都内を中心に、大阪、福岡両市や地元の山口県下関市などで10回以上の政治資金パーティーを開催し、収入全体の9割弱となる1億413万円を集めた。そのうち収入が1000万円以上の「特定パーティー」は5回にのぼった。
2位は茂木敏充・前幹事長の9803万円で、約2700万円の収入があったパーティーを3回開催。3位の小泉進次郎・元環境相も、8164万円のうち7394万円をパーティー収入でまかなった。
決選投票に進んだ高市氏は4824万円で7位。パーティーを開かず、ほぼ全額の4823万円を個人寄付で得た。9氏のうち個人寄付の額はトップだった。8位の石破氏は3158万円で、1回のパーティーで2944万円を集めた。
管理団体1位 武田元総務相
一方、総務省に資金管理団体を届け出ている全国会議員の資金管理団体の収入額を比較すると、上位10人は全て自民議員で、8人が1億円以上集めた。1位は武田良太・元総務相の2億6319万円で2年連続の首位。2位は岸田文雄・前首相の1億4076万円で、3位以降は世耕弘成・前党参院幹事長、西村康稔・元経済産業相、林官房長官が続いた。野党では、立憲民主党の小沢一郎衆院議員の8325万円が最多で、全体の12位だった。
「餅代」支給せず…自民旧派閥3派
29日に公開された政治資金収支報告書で、自民党の旧安倍、旧岸田、旧二階の3派が昨年、冬の「餅代」を支給していなかったことが分かった。自民派閥は所属議員に対し、餅代や氷代と称して冬と夏にそれぞれ50万~100万円ずつ支給するのが通例だった。
森山氏、企業献金「第三者意見も」
自民党の森山幹事長は29日、党本部で記者団に、企業・団体献金のあり方について「第三者の意見を聞くプロセスを経ることも一つの考え方ではないか」と述べた。公明党は専門家らを交えて中長期的に議論すべきだとの立場で、与党で足並みをそろえたとみられる。
立憲民主党や日本維新の会などは企業・団体献金の廃止を主張しているが、自民は存続の立場で、森山氏は「企業献金で政治が曲げられていることはない」とも強調した。
日本保守党に政党交付金支給
総務省は29日、先の衆院選の結果に基づく2024年分の政党交付金額を発表した。9党の総額は314億3700万円で、政党助成法上の国政政党として要件を満たした日本保守党には初めて支給される。議席を伸ばした国民民主党は当初比12・8%増だった。
交付額は4月に決定し、4回に分けて支給されるが、選挙後の分を再算定し、最終の12月交付分で当初額との差額を調整する。変更後の交付額は次の通り(100万円未満は切り捨て)。
自民党156億5000万円▽立憲民主党70億5600万円▽日本維新の会33億6400万円▽公明党28億6500万円▽国民民主党12億6300万円▽れいわ新選組6億7700万円▽社民党2億8700万円▽参政党2億4300万円▽日本保守党2800万円
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