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「傘のいらない渋谷」へ着々、レンタルスポット100か所到達…新興企業と不動産会社がプロジェクト

読売新聞 / 2024年12月2日 7時22分

傘のレンタルスポットの前でプロジェクトをアピールする勝連COO(東京都渋谷区で)

 東京都の渋谷駅周辺で、傘を借りられるスポットがどんどん増えている。スタートアップ(新興企業)と不動産会社が取り組むプロジェクトで、ビニール傘の使い捨てを減らして環境負荷を軽減するなどの狙いがある。レンタルスポットは100か所に達した。(松下聖)

 プロジェクトは、「ネイチャーイノベーショングループ」(新宿区)と、不動産大手の「東急不動産ホールディングス」(渋谷区)が手がけている。ネイチャー社が2018年に始め、現在14都道府県で展開する傘のシェアリングサービス「アイカサ」を、渋谷駅周辺で重点的に拡大させる試みだ。

 対象エリアは渋谷駅の半径600メートル圏内。従来のアイカサが駅を中心にレンタルスポットを設置していたのに対し、プロジェクトでは、東急が管理するオフィスビルの入り口や商業施設など、設置場所を大幅に増やした。今年6月、コンビニ(約70か所)を上回る100か所を目標に設置を始め、10月に目標を達成。今後は、スポットを増やしつつ、広報に力を入れて利用を呼びかける。

 国内で年間に消費されるビニール傘は約8000万本に上るとされる。その多くは、外出先で急な雨が降ってきた際に購入され、雨がやむと、どこかに置き忘れられたり、捨てられたりしている。プロジェクトは、そうした現状を改善し、資源の無駄遣いを防いで二酸化炭素の排出削減にもつなげる狙いがある。雨の日でも快適に街を歩けるようにすることで、地域経済の活性化も目指す。

 レンタルはスマートフォンのアプリで行う。料金は24時間あたり140円で、借りた傘はどのスポットでも返却できる。現在は約1200本の傘が流通しており、オフィスで出た不用なクリアファイルを再利用した傘も用意されている。

 ネイチャー社の勝連滉一COO(最高執行責任者)は、「傘のいらない街に向けた土台ができた。『渋谷なら傘を持っていかなくてもいいよね』と認知されるようにしたい」と話す。東急の小山聡太イノベーション戦略グループ課長は「傘が捨てられない社会を渋谷で作り、将来は地方にも広げて脱炭素社会を目指したい」と語った。

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