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臓器移植の病院、待機患者が複数登録可能に…第1希望施設の受け入れ断念に備え

読売新聞 / 2024年12月2日 5時0分

移植医療改革の最終案のポイント

 脳死者から提供された臓器の移植を担う病院が、人員や病床の不足などで臓器の受け入れを断念している問題を巡り、厚生労働省が検討している移植医療体制改革の最終案が1日、明らかになった。移植希望者が移植手術を受ける施設を複数登録できるよう、新たな仕組みを今年度中に整備するほか、日本臓器移植ネットワーク(JOT)が単独で担っている臓器のあっせん業務のうち、家族への対応や臓器摘出手術の管理などを切り離し、新法人に委ねる。

 最終案は5日、専門家などでつくる厚労省の臓器移植委員会で提示される見通しだ。

 移植希望者は現在、移植を受ける施設を原則1か所JOTに登録している。登録した施設が臓器の受け入れを断念した場合、別の施設のより優先度の低い患者に移植される。公平性の観点から問題視されてきた。

 この問題を改善するため、移植施設を複数登録できるようにする。第1希望の施設で移植を見送られても、第2希望の施設で受けられるようになる。

 移植施設を選ぶ手がかりとして、施設ごとの待機患者数や移植実施数も公表する。移植を受けた患者の生存率などの情報公開は、移植成績の低下を懸念する施設が難しい手術を避ける可能性があるとして、関連学会で今後検討するとした。

 あっせん業務の見直しでは、JOTからドナー家族への臓器提供の説明と同意取得、臓器摘出手術の進行管理などを分離し、地域ごとに設置する新法人に委譲する。臓器提供数の増加に伴うJOTの業務負担を軽減するとともに、臓器提供施設の近くにある法人がドナー家族への対応などにあたることで迅速化も図る。JOTは移植希望者の登録と移植を受ける患者の選定を引き続き担う。

 移植待機中に亡くなる患者を減らすため、心臓の移植を受ける患者を選ぶ基準について、命の危険が迫り、緊急性が高い患者を優先するルールを採り入れる。

 臓器提供の経験が浅い施設を支援する拠点施設も拡充する。

 移植医療体制の大幅な見直しは、1997年の臓器移植法施行後、初めてで、7月から同委で検討を進めてきた。

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