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秋篠宮ご夫妻、あすからトルコ親善訪問…三笠宮さまが発掘調査に尽力の古代遺跡も視察

読売新聞 / 2024年12月2日 17時0分

 秋篠宮ご夫妻は3日、今年で外交関係樹立100周年を迎えたトルコへの親善訪問に出発される。オリエント史研究者だった大叔父の三笠宮さま(2016年逝去)が発掘に尽力した遺跡も訪ね、皇室が築いた両国の文化・学術交流の歩みを確認される。(坂場香織)

 ご夫妻は3日に現地入りし、首都アンカラとイスタンブールで式典や大統領夫妻への表敬訪問に臨むほか、100周年を記念した展覧会やコンサートを鑑賞される。現地最終日の7日には、中部のカマンで古代の「カレホユック遺跡」を訪ねられる。

 遺跡では、三笠宮さまの発案で設立された「中近東文化センター」(東京)が今も、発掘調査を続けている。1986年の調査開始の際には、三笠宮さまが現地でくわ入れをされた。

 日本・トルコ協会の遠山敦子顧問(85)は96年にトルコ大使として赴任する前、三笠宮さまから「すごい遺跡がある。フォローしてください」と頼まれ、帰国の度に報告した。「遺跡は普通、よその国に発掘させない。皇室への尊敬が、日本の研究機関による発掘につながった」と語る。

 センターの付属機関として「アナトリア考古学研究所」の構想が進むと、三笠宮さまの長男寛仁ともひとさま(2012年逝去)は講演会などで寄付を呼びかけられた。05年の研究棟の落成式には、寛仁さまとともに孫の彬子さまが出席された。

 研究所によると、40年近い調査で世界最古の鋼が発見されるなど、世界中の研究者が集う拠点となっている。秋篠宮さまは先月、訪問を前にした記者会見で、「40年近く、調査研究をトルコの人、またその他の国の研究者などと進めているのは非常に学術交流として大きい」と述べられた。

 秋篠宮ご夫妻は視察当日、出土品の仕分け作業を視察するほか、調査開始以来、遺跡の発掘に携わる同研究所の大村幸弘所長(78)らと面会される。

 大村所長は調査が始まった頃、三笠宮さまから「続けてください」という言葉を受けた。研究所は地元に雇用を生んだ。発掘を手伝った地元の子供たちの中には、研究者になった人もいれば、三笠宮さまの発案で始まった奨学金制度を利用して医師や弁護士になった人もいる。

 「研究のみに関心を持つ研究者と違い、三笠宮さまは地域や地元の人への恩返しを大切にされていた。秋篠宮ご夫妻には、そうしたお話もしたい」と語った。

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