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5球団競合の楽天ドラ1・宗山塁「目標は開幕スタメン」…ショート守備「坂本さんや源田さん見て上達」

読売新聞 / 2024年12月3日 10時1分

プロでの意気込みやライバルへの思いを語る明大の宗山=米山要撮影

 プロ野球のドラフト会議で5球団競合の末、楽天への入団が決まった明大の宗山塁内野手(21)が読売新聞のインタビューに応じた。堅守・巧打の即戦力として最大級の評価を受け、背番号1をもらった遊撃手。プロでの抱負や守備へのこだわり、大学日本代表で共に戦った仲間たちへの思いを大いに語った。(聞き手 浜口真実、西口大地)

坂本さん、源田さん見て上達 「かっこいい」届けたい

――いよいよプロ入りする。今の率直な気持ちを。

 「目標は開幕スタメンです。自分の良さをアピールして信頼を勝ち取るところからのスタートなので、そのための準備と、良いイメージをしながら動ける状態を作っていきたい」

 「自分がどれくらいプロの世界でやれるのか、毎日試合がある経験も初めてで、環境の違いや変化に不安はある。それでも、自分なりの自信を持てるように準備していきたい」

 ――守備力を磨き続ける中、参考にしてきた選手は。

 「(巨人の)坂本さんや(西武の)源田さんの映像を見ていて、うまい選手に共通するのは力感のなさだと感じた。無駄な力が入っていない守備は簡単にさばいているように見えて、なかなか実戦でやるのは難しい。参考にしながら大学でも意識して取り組み、上達できた部分でもあります」

 ――力感なくプレーするために必要なことは。

 「1歩目の動き出しですね。ボールとバットが当たる瞬間に、どれだけ自分が動けているかを大事にしている。スタートが遅れると打球に入ることができずに焦りや無駄な力につながってしまう。大学1年から2年にかけて練習で自分の形を作り、固まってきました」

 ――気持ちの面では。

 「(状態が)良くても、『これでオッケー』と決めつけず、常にさらにいい形を求め、悪い時はその原因を自分で理解することで気持ちを落ち着かせている。打撃でも、打っても打てなくてもある程度同じような状態で入れたら、支障なく次もできる。気持ちの浮き沈みをなくすことは、練習から常に意識しています」

 ――昨年夏、日米大学野球選手権に出場し、米国開催では2007年以来2度目となる優勝を飾った。3番遊撃で全試合に先発出場した海外遠征の経験はどのような刺激になったのか。

 「米国選手のスケールの大きさやパワーは実際に対戦してみないと分からなかった。同年代の選手でこれだけの力を持った選手が世界にはいる、と感じられたのが大きかったですね」

 ――全5戦で、1勝してから2連敗。追い込まれてから2連勝で優勝を飾った。

 「もう後がない状況からの優勝は難しさもあり、達成感が大きかった。短い期間だったが日本のチームワークの良さ、強さが出たと思う。代表選手として一つ一つの言動が注目され、責任を伴う経験だった。野球はうまくてあたりまえと基準は高くなり、見合うプレーができないといけない。鍛錬が必要と感じました」

 ――現地の子どもたちからはサイン攻めにあった。

 「自分も小さい時はプロの試合を実際に見て『かっこいいな』『こういう選手になりたいな』と思った。今度は自分がそういった思いを届けられる選手になっていくことが大事ですね」

 ――代表メンバーのうち、1学年上の古謝(ドラフト1位)や中島大輔(同6位)は楽天でチームメートになる一方、共に戦った多くの仲間が他球団でプレーする。

 「一緒に戦っていた選手がプロの試合に出る姿はまた違った思いがあった。自分も来年はここ(プロ)でやらないといけないと思っていた。試合では(明大の先輩でロッテの上田)希由翔きゅうとさんもライバル。真剣勝負でいきたいし、いろんな交流をしながら良い関係を築けたらいい」

 ――日本代表への思いは。

 「日本代表のショートと言ったら自分の名前が出るような選手を目指したい。結果を残し続けていくのが一番難しいと思いますが、日本のベストメンバーに名を連ねられるように成績を残していきたいですね」

信頼、応援される人間性

 「主力としてプレーしながら先輩とも仲良くし、先輩を立てつつ一線は越えない。そういう面でも非常にバランスがとれている」。日米大学野球選手権では、当時3年生だった宗山について、首脳陣はプレーに加えて人間性も評価していた。

 4年生が多かった代表チームに自然と溶け込んでいた姿は、現地で取材した記者にも印象的だった。特に投手は、武内(現西武)、古謝(現楽天)らドラフト1位候補の4年生がずらり。その中で、タイミングをうまく見計らってはマウンドに向かって投手に声を掛け、チームの支柱となっていた。米国代表の監督も「あのショートは素晴らしい」と感嘆。米国の子どもたちにサインを求められれば、笑顔で快く接していた。

 今回の取材でも、質問には真剣に考えて自分の言葉で答えつつ、内鍵がかかってホテルの部屋から閉め出された米国の思い出を自分から笑って切り出す一幕もあった。攻守にわたる高い能力だけでなく、その人間性でも、プロの世界で仲間やファンに信頼され、応援される存在となるに違いない。(浜口)

むねやま・るい 広島県三次市出身。広陵高から明大に進み、六大学リーグでマークした通算118安打は、元巨人監督の高橋由伸(慶大)に次ぐ歴代7位。今年3月、欧州代表との強化試合に臨む日本代表「侍ジャパン」に招集されたが、ケガのため出場できなかった。1メートル75、79キロ。

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