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高額療養費の自己負担、上限5~15%引き上げ案…保険料軽減狙い厚労省検討

読売新聞 / 2024年12月3日 15時0分

 医療費が高額になった場合に患者の自己負担を一定額に抑える「高額療養費制度」を巡り、厚生労働省は自己負担の上限額の引き上げ幅を5~15%とする方向で検討に入った。受診控えにつながらないよう、低所得者の引き上げ幅は抑制する方針だ。4日の自民党社会保障制度調査会や、5日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で提示する。

 高額療養費制度は、1か月あたりの自己負担の上限額を超えた場合に超過額が払い戻される仕組み。現行制度では、医療費が月100万円かかった場合の自己負担額は、年収370万~770万円で約8万7000円、年収1160万円以上で約25万4000円となっている。

 11月の医療保険部会では「一定程度の引き上げ」を目指す方針が了承された。厚労省は引き上げ幅の検討を続けており、年末までに結論を得たい考えだ。

 上限額の引き上げには、現役世代の公的医療保険料の負担を軽減する狙いがある。現在、上限額は年収に応じ、70歳未満では五つ、70歳以上では六つに区分されているが、厚労省は区分も細分化する方針を示している。

 厚労省の試算によると、各区分で一律に5%引き上げた場合、1人当たりの保険料は年額600~3500円軽減される。15%引き上げた場合は、1200~5600円軽減される。厚労省は早ければ2025年夏に自己負担の上限を引き上げ、26年夏に区分の細分化にも取り組む考えだ。

 高齢化の進展や医療の高度化で、高額療養費の支給総額は12年度の2・1兆円から21年度には2・8兆円に膨らんだ。厚労省は、引き上げの理由として、賃上げなどを通じて世帯収入が増加していることや、物価上昇が続く中で現役世代を中心に保険料負担の軽減を求める声が多いことを挙げている。

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