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大阪地検トップから暴行の女性検事、2次被害の調査申し立て…「検察に何度も殺され続けている」

読売新聞 / 2024年12月4日 5時0分

元検事正からの性的暴行について話す女性検事=川崎公太撮影

 元大阪地検トップの検事正だった北川健太郎被告(65)による準強制性交事件で、被害者の女性検事が3日、読売新聞の取材に応じ、職場で誹謗ひぼう中傷され、二次被害を受けてきたとして、現在所属する大阪地検に調査を申し立てたことを明らかにした。女性は「検察に何度も殺され続けている」と語った。

職場で誹謗中傷

 起訴状では、北川被告は検事正在任中の2018年9月、大阪市内の官舎で、酒に酔って抵抗できない女性に性的暴行を加えたとしている。女性はその後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、休職した。

 女性は今年10月にあった北川被告の初公判後に記者会見を開いた。性被害の詳細のほか、同僚の副検事から「お金目当ての虚偽告訴だ」と言いふらされたと訴え、名誉毀損きそんなどの疑いで大阪高検に告訴・告発したと明かした。

 10月の会見時は自身の所属を伏せていたが、3日の取材では大阪地検だと明かした。「組織の問題を指摘するため、やむを得なかった」という。

 女性によると、復職した後も副検事と同じ職場に配置されるなどし、働き続けることが困難で再び休職し、現在も休んでいるという。

 女性は11月22日、大阪地検の現検事正に対し、副検事による誹謗中傷のハラスメント行為があったとして、調査を申し立てた。周囲に広がったうわさが虚偽だと周知することも求めている。さらに同日付で、国会議員らで構成し、検察官の適格性を審査する「検察官適格審査会」に対し、副検事の罷免ひめんを求めたことも明かした。

 女性は「組織に不信感がある。二次被害がまかり通ると、声を上げた被害者が傷つくのを許すことになる」と話した。

一人じゃない

 一方、記者会見後、性被害の当事者らから「私は味方」「元気づけられた」などと励ましのメッセージが多数寄せられたという。女性は「私は一人じゃないとわかって力をもらった。生涯の宝物です」と感謝する。

 女性は今後も被害者参加制度を利用し、北川被告の公判に出廷するつもりだ。制度では、被害者本人が被告に質問したり、求刑の意見を述べたりできる。

 北川被告には「検事正として法令を順守すべき立場だったのに、なぜこんな事件を起こしたのかを問い、動機を解明したい」と考えている。家族との平穏な生活を壊されたことを踏まえ、「被告にはできる限り長期の実刑を望みたい」と語った。

被告初公判では「反省」

 北川被告は今年6月、女性検事に対する準強制性交容疑で大阪高検に逮捕され、翌7月に起訴された。取り調べに「合意があったと思っていた」と供述していたという。

 しかし、10月に大阪地裁で開かれた初公判では、起訴事実を認め、「被害者に深刻な被害を与えたことを深く反省し、謝罪したい」と述べた。検察側の冒頭陳述によると、北川被告は女性に「被害を表沙汰にすれば自死する」と口止めする内容を記した書面を渡していたという。

 第2回公判は12月10日に予定されていたが、取り消され、新たな期日は決まっていない。

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