アマゾン、動画対応ＡＩ「アマゾンノバ」発表…文章入力で動画作成・動画の内容分析も

動画生成ＡＩを発表したアマゾン・ドット・コムのアンディ・ジャシーＣＥＯ（３日、米ラスベガスで）＝小林泰裕撮影

　【ラスベガス＝小林泰裕】米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムは３日、動画の生成や分析に対応した新たな生成ＡＩ（人工知能）基盤モデル「アマゾンノバ」を発表した。文章や画像に続き、動画生成分野でのＡＩの開発競争が一段と激しくなりそうだ。

　米西部ネバダ州ラスベガスで開催したクラウド部門の年次イベントで発表した。

　「アマゾンノバ」はモデルの性能や特徴に合わせて「ライト」「プロ」などの種類に分かれ、動画生成ＡＩは「アマゾンノバ・リール」の名称で展開する。３日からクラウドを通じて開発者などに向けて提供を開始した。当面は６秒の高精細な動画を作成でき、近く、２分の動画生成にも対応する。

　例えば、文章で「パスタでつくられた街の動画を作成して」などと入力すると、パスタやソースによって家や道路がつくられた動画を作成することができる。

　偽動画の作成や著作権の侵害などに悪用されないよう、ＡＩが作成したことを示す電子情報を埋め込むほか、問題のある動画が生成されないよう安全策を導入したとしている。

　「アマゾンノバ・プロ」では動画の詳細な分析が可能になる。たとえばアメリカンフットボールの試合動画を入力して解説を求めると、「攻撃チームがパスを実行し、防御チームがタックルした」といったように状況を説明してくれる。

　文章からＡＩで画像を生成する「アマゾンノバ・キャンバス」も発表した。

　アプリの開発者らは用途に合わせて「リール」「キャンバス」「プロ」などのモデルをクラウド上で選択し、使い分けることができる。

　動画生成ＡＩは「チャットＧＰＴ」を開発した米オープンＡＩや米グーグルも開発しており、文章や画像に続く分野として競争が激化している。