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箱根路のコースにある唯一の踏切は山の途中にある…選手と電車がかち合ったらどうなる

読売新聞 / 2024年12月18日 12時27分

小涌谷踏切を通過する電車。箱根駅伝の時には鉄道会社の協力で、ランナーを優先して通行させてくれる

 第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が2025年1月2、3日に行われる。

 800メートル超の高低差がある箱根駅伝の5区と6区にある、箱根登山鉄道の「小涌谷踏切」は、コース上で唯一の鉄道の踏切で、山登り、山下りのほぼ中間地点付近にある。最寄駅の小涌谷駅の時刻表を見ると土・日・祝日の日中は上下線とも1時間に4本ぐらいのダイヤで、同鉄道の協力もあり、レース通過状況を見ながらランナーを優先して運行を調整し、適切に通過させてくれる。

 かつて、箱根駅伝のコース上には、ほかにも踏切があった。1区と10区のコースにあった京急電鉄空港線の「蒲田第1踏切」(東京都大田区)は2012年の上下線高架化完了によって姿を消した。

 線路に足を取られないよう、ランナーたちは歩幅を調整して踏切を通過してゆく。そんな踏切は、かつて、ランナーの足止め、転倒、その後のデッドヒートと数々のドラマも演出することになった。

 もう一つ、横浜の戸塚にも踏切があった。JR戸塚駅北側にあった「戸塚大踏切」だ。昭和20年代までは、この踏切を通る旧東海道が駅伝コースになっていた。

 「箱根駅伝70年史」(関東学生陸上競技連盟)によると、1953年の29回大会では中央大の2区のランナーが踏切で足止めされている間に明治大が追いつき、戸塚中継所では1位中央大が明治大と1秒差でたすきをつないだと記録されている。

 踏切で足止めされた場合のロスタイムは競技者の所要時間に含めないというルールがある。だが、そのルールが適用されることはもうないかもしれない。(デジタル編集部)

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