1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

韓国「戒厳令」は6時間で解除、与野党は一斉に大統領批判…辞職拒否なら弾劾訴追の手続きへ

読売新聞 / 2024年12月4日 11時53分

韓国・ソウルで開かれた集会で、「尹錫悦追放」と書かれた看板を手にする人たち(4日)=AP

 【ソウル=小池和樹】韓国の尹錫悦ユンソンニョル大統領は3日夜、政党活動を禁じ、報道機関の活動を制限する「戒厳令」を宣布した。野党が国会で政府高官の弾劾だんがい訴追案提出を繰り返していることなどを理由に挙げた。ただ、4日未明に国会で解除要求決議案が可決されると、戒厳令を解除した。

 国会には一時、軍部隊が進入し、抗議する市民が周辺に集まるなど状況は緊迫したが、戒厳令の解除に伴い部隊は撤収し、激しい衝突は回避された。今回の尹氏の強権的な手法には与野党から強い批判が出ている。

 尹氏は3日夜に国民向けの緊急談話を出し、国会で過半数を握る最大野党「共に民主党」などが政府高官や検事らの弾劾訴追案提出を繰り返し、治安に関する内容を含めた予算案の削減を求めているとし「憲政秩序を踏みにじる明白な反国家行為だ。国会が自由民主主義体制を崩壊させる怪物になった」と主張。戒厳令の目的について「北朝鮮に従う勢力を撲滅し、憲政秩序を守る」とした。

 戒厳司令官(陸軍参謀総長)はその後、「戒厳司令部布告令」を発出し、議会や政党など一切の政治活動の禁止、すべての報道と出版の統制、集会行為の禁止といった措置が示され、違反者に対しては令状なしに逮捕や拘禁ができ、処罰するなどとした。聯合ニュースによると、「非常戒厳」の宣布は1979年以来、45年ぶりで、87年の民主化以降では初めて。国会前などでは反対する市民ら数千人が集まった。

 ただ、国会(定数300)では4日未明、出席議員190人全員の賛成で戒厳令解除要求決議案が可決。憲法の規定では、在籍議員の過半数が解除に賛成した場合、大統領は戒厳令を解除しなければならないと定めており、尹氏は宣布の約6時間後の同日午前4時半頃、解除を表明した。ソウル市内に展開した軍も、解除に伴って元の部隊に復帰した。

 尹氏は戒厳令の解除表明の際、国会に対して「国の機能をまひさせる非道な行為」の即時中止を求めるとしたが、与野党からは尹氏を批判する声が上がる。

 尹政権を支える保守系与党「国民の力」の韓東勲ハンドンフン代表は尹氏の戒厳令宣布の直後、「宣布は間違っている。国民とともに阻止する」と反対を明言。共に民主党は戒厳令の解除後、「憲政破壊犯罪を座視しない。重大な内乱行為だ」と非難した上で、尹氏に辞職を求め、拒否すれば弾劾訴追手続きに入る方針を示した。

 また、大統領府の首席秘書官らは4日、一斉に辞意を表明した。混乱の責任を取ったとみられる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください