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はやぶさ2がリュウグウから採取の砂から塩の結晶…京大などのチーム「母天体の成り立ち考える上で重要」

読売新聞 / 2024年12月4日 17時50分

リュウグウの砂の電子顕微鏡画像。白っぽい部分がナトリウム炭酸塩の結晶(松本特定助教提供)

 日本の探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウで採取した砂を分析したところ、微小な塩の結晶が見つかったと、京都大などのチームが発表した。過去に存在したとみられる塩水が蒸発や凍結で失われた証拠になるという。論文が科学誌ネイチャー・アストロノミーに掲載された。

 リュウグウは約45億年前の太陽系初期に生まれた直径数十キロ・メートルの母天体に、別の天体が衝突して飛散した岩石で形成されたとされる。母天体内部には高温の水が豊富に存在していたと考えられ、リュウグウの砂や石からは生命のもととなる有機物が検出されている。

 今回見つかったのは、水に溶けやすい性質を持つ炭酸ナトリウムや塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどでできた塩の結晶。こうした塩は地球の大気中の水分に触れると変化するため、隕石いんせきなどから確認することは難しい。チームは、リュウグウの砂を大気に触れないように電子顕微鏡で観察することで発見できた。

 塩の結晶は、リュウグウの母天体にできた割れ目から水が蒸発したり、母天体が徐々に冷えて水が凍ったりして塩水が濃縮され、形成されたと考えられる。

 チームの松本徹・京大特定助教(地球外物質学)は「地下に海があるとされる土星の衛星などにも塩があることがわかっており、母天体の成り立ちを考える上で重要な知見となる」と話す。

東京大の橘省吾教授(宇宙化学)の話「水がなくなった最後の瞬間が見えたと言える。いつどのように水が失われたかを解明していけば、水中で『生命の材料』ができる過程にも迫れる」

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