被団協代表理事で初の被爆2世「今回の受賞は私のスタートライン」…オスロ大で学生らに講演
読売新聞 / 2024年12月13日 9時0分
ノーモアヒバクシャ 被団協に平和賞
【オスロ=美根京子、小松大騎】ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表団のメンバーには被爆2世の女性もいる。女性は11日午後(日本時間12日午前)、ノルウェー・オスロで地元の大学生らと交流した。平均年齢が85歳を超え、「被爆者なき時代」が迫る中、バトンを受け継ぐ決意を新たにしている。
「今回の受賞が、被爆者の経験を世界全体で受け入れる大きなきっかけになることを期待しています」。松江市の本間恵美子さん(74)がオスロ大で、学生ら約300人にそう語りかけると、会場から大きな拍手がわき起こった。
本間さんは、全国で12人いる被団協代表理事で初めての被爆2世だ。母親の
本間さんは交流会で、淳さんが体験を語ることはなかったと明かした。原爆の状況を尋ねたことがあるが、「『すごかったよ』『ひどかったよ』と言うだけだった」と説明。8月6日に広島市の平和記念式典のテレビ中継が流れた時のことにも触れ、「すぐに消して。式典でも思い出すことは嫌」と口にしたという。
淳さんは2013年7月、90歳で亡くなった。3か月後、島根県原爆被爆者協議会の結成50年の記念史が届き、初めて被爆者たちの証言を読んだ。「原爆を二度と使ってはいけない」との思いが強く伝わってきた。少しして協議会に入った。
しばらくたった頃、会長だった被爆者の原美男さんから会長を引き継ぐよう頼まれた。一度は断ったが、「誰かが協議会を続けなければ」と思い直し、22年6月に被爆2世で初めての会長になった。
代表団の一員として参列した授賞式。ノーベル賞委員会のヨルゲン・ワトネ・フリドネス委員長はスピーチで、「被爆者たちの遺産を受け継いでいくのは、私たちすべての人間の責任だ」などと言及した。本間さんは学生らに向け、「被爆者の経験を世界全体で受け入れるべきだとおっしゃった。とても感動した」と述べ、共に継承の歩みを進めたいと訴えかけた。
交流会を終え、本間さんは決意を口にした。「今回の受賞は私のスタートライン。次の世代に継承するため、この経験を今後の活動に生かしていきたい」
被団協 帰国の途
【オスロ=小松大騎、美根京子】日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表団は12日午前(日本時間12日午後)、ノルウェーのオスロを出発し、帰国の途に就いた。日本時間の13日午前、羽田空港に到着する予定。
代表委員の田中重光さん(84)は「戦後立ちあがった先人たちに感謝したい。先人が受け取るべき賞だったと思う。命ある限り、これからも頑張る」と語った。
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