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先輩に何を言われても「俺は上に行くから」…生意気な原口元気と教育係の槙野智章、2人だけの秘話

読売新聞 / 2024年12月17日 10時0分

試合後、サポーターにあいさつしてまわる原口選手(2014年6月1日、埼玉スタジアムで)

 サッカー・J1浦和レッズの原口元気選手が、読売新聞ポッドキャスト「ピッチサイド 日本サッカーここだけの話」に出演。レッズ時代に一緒に戦った番組MCの槙野智章さんを愛称の「マキ」と呼ぶ間柄で、「マキが(番組を)やっているって言うんで」と語り、当時のレッズについて振り返った。

原口選手の「教育係」として

 原口選手と槙野さんの出会いは2012年。槙野さんがドイツ・ブンデスリーガからレッズに移籍したときだった。槙野さんは次のように振り返る。

 「原口元気っていう選手はもちろん知っていたし、かわいいやつなんだろうなっていうのはあった。(レッズ移籍の)契約書にサインするとき、チーム状況を説明されました。2011年の浦和は残留争いをしていたこともあって、ちょっと良くなかった。当時の強化部長から、原口元気を選手としても、人間的にも、教育係のようなかたちで見てくれないかって言われました」

 そういった裏事情は知らなかったという原口選手。

 「知らなかったですね。でも、それ間違えてるな。任命する人(笑)」(原口選手)

 「間違えてるのこれ?(笑)」(槙野さん)

レッズ復活の2012年

 レッズに移籍してきた槙野さんにとっても、原口選手をサポートするという「役割」をクラブから与えられたことで、「チームのことを知らなかったから、俺もスッと(チームに)入れたのが良かったかな」と語る。

 2012年には、ミハイロ・ペトロビッチ氏が新監督に就任。チームが生まれ変わろうとするなかで、受け入れる側の原口選手はどのように感じていたのだろうか。

 「全く新しい風が吹いたよね。ミシャ(ペトロビッチ氏)が来て、マキが来て。『楽しいサッカー、魅力的なサッカーしよう』となって、マキが来たことでチームの雰囲気も全然違うものに変わったし、2011年のネガティブな雰囲気から一気に良い雰囲気になったのは覚えてるかな」

 当時のチームには、世代間で「壁」が存在したようだ。

 「数年前まで常に優勝争いをしていたクラブが、世代交代の時期に差し掛かって、若い選手と上の選手とのバランスやコミュニケーションの部分でうまくいっていない部分が多かったんじゃないかな」(原口選手)

 槙野さんもチーム内のコミュニケーション不足をこう指摘する。

 「若手、中堅、ベテランって分かれて固定化されてたよね。うまく間に入ってコミュニケーションを取って、チームを一つにまとめる作業を心がけた。でも楽しかったよね」

 槙野さんが移籍してきた1年目の2012年は、リーグ戦を3位で終え、アジアチャンピオンズリーグの切符も手にした。レッズ復活の基盤をつくりあげた一年でもあった。

 「浦和レッズがもう一度強いチームになるという雰囲気をみんなでつくれてたんじゃないかな。ポイントになった年じゃない? やっぱり新しいサッカーをしようって」(原口選手)

「先輩たちより俺は上に行くから」

 原口選手は2014年にドイツ・ブンデスリーガのヘルタ・ベルリンに移籍する。原口さんは「もう1、2年早くても良かったと思う」とも語ったが、一方でこうも語る。

 「マキやミシャとサッカーをして、いろんな経験をして、たくさん失敗したことで学ぶものも多かった」

 「ドイツはオープンじゃん。やっぱ、日本って厳しいじゃん。上下関係もあるしさ。態度が悪いとか言われるし。僕も生意気だった。だから先輩とぶつかることも多かった。でもうまくマキが間に入ってくれた」

 そんな「ヤンチャ」だった原口選手の目には、現在の若い選手たちはどう映っているのだろうか。

 「今、俺が33歳でしょ。20代のやつが大暴れしてたら、ぶっとばすかも(笑)」

 そう笑いながら、こう付け加える。

 「(熱量を持った選手が少ないという面は)確かにそれはあるね。みんないい子だし、変なことはしないけど、本当に『こいつパワーやばいな』みたいな選手はやっぱ少ないかな」

 原口選手は、当時の自身の思いをこう語る。

 「ぶつかることは多かったけど、それでいいと思ってた。ぶつかって、先輩に怒られて、でも変な話、その先輩たちより俺は上に行くから別にお前らに何を言われようと変えるつもりはないよ、みたいなスタンスだったから」

 「でも、マキが先輩との間に入ってくれて『元気の考えてることは間違ってないけど、やり方は違うんじゃない?』みたいな注意をしてくれたことで、自分の表現の仕方もうまくなった。成長して、ドイツに旅立てた」。槙野さんへの感謝の言葉を口にした。

「成長したな」

 二人にとって忘れられない試合がある。

 「(ドイツ移籍前の)最後の試合、覚えてるでしょ?」(原口選手)

 2014年のナビスコカップ・グループリーグ。浦和は名古屋グランパスに5-2で快勝した。槙野さんはゴールを決めて、原口選手の移籍に花を添えた。

 「どうしても点が取りたくてフリーキックを蹴ったら止められて、マキが(こぼれ球を)決めた」(原口選手)

 「人一倍うれしかったよ。ドイツに行くとか、目標も近くで聞いてたし。最後にスピーチしてる姿は、成長したなとか、大きくなったなってのはあったよ」(槙野さん)

プロフィル

原口元気(はらぐち・げんき)

浦和レッズのジュニアユースから、2008年にトップ登録。ナビスコカップ・名古屋グランパス戦で公式戦デビュー。09年にプロ契約。14年にドイツ・ブンデスリーガのヘルタ・ベルリンに移籍。ハノーバー、ウニオン・ベルリンなどでプレーし、日本代表にも定着。代表通算74試合出場、11ゴール。24年9月に浦和レッズに復帰した。1991年生まれ、埼玉県出身。

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