1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

デパート初売り1月2日から「3日」へシフト、かき入れ時ではあるものの…従業員への配慮優先

読売新聞 / 2024年12月14日 9時0分

 百貨店で来年1月2日を休業日とする動きが広がっている。「初売りの日」はかき入れ時だが、人手不足が深刻化する中、テナントや取引先を含む従業員の労働環境を改善する狙いがある。一方で、買い物客の利便性を考慮して例年通り営業する百貨店もあり、対応は分かれている。(北野浩暉)

 阪急阪神百貨店は、阪急梅田本店や阪神梅田本店などの10店舗について、従来の休業日である元日に加え、2日も休業する。来年の初売りは3日となる。

 山口俊比古社長は「2日は一年で最も売り上げが多く見込める日で、商売としては非常にマイナス」としつつ、「単日の一喜一憂でなく、従業員が年間を通じて最大のパフォーマンスを発揮し、お客様に寄り添えるようにしたい」と説明する。再来年以降も継続する方向という。

 大丸松坂屋百貨店も大丸梅田店や大丸心斎橋店など全15店舗を休業する。1月2日に休むのは25年ぶりという。高島屋も23年ぶりに高島屋大阪店を含む全国の13店舗を休業する。

 背景には、小売業界の人手不足がある。大阪労働局によると、大阪府内の今年10月の販売員の有効求人倍率は1・88倍で、全職業の1・13倍を上回った。

 一方、百貨店の初売りは1月2日で浸透しており、買い物を楽しむ人も多い。

 三越伊勢丹は来年も1月2日から営業する。働き方改革の一環で2016年に首都圏8店舗の初売りを3日にずらしたが、顧客から要望を受けて2日に戻した経緯があるという。

 近鉄百貨店も例年通り1月2日に営業を始める。梶間隆弘社長は「近鉄しか百貨店がないという地方に我々の店舗は多くあり、帰省したお客様が立ち寄る場所となっている」と説明する。今後については、その都度、判断していくとしている。

 百貨店に入るテナントはどう受け止めているのか。「デパ地下」に総菜店「RF1」を展開するロック・フィールドの古塚孝志社長は「収益面ではしんどいが、長い目でみると決してマイナスではない」と語る。

 来年1月2日に休業する百貨店の動きを織り込んだこともあり、25年4月期の業績予想を下方修正した。ただ、従業員の間には年始に休みを希望する声もある。古塚氏は「採用難を考えると、休みをしっかり取れるのは重要。生産性をいかに上げるかが今後の課題だ」と話す。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください