山梨県初の「空の駅」に…富士川町がヘリポート整備へ、富士山の遊覧飛行などを想定
読売新聞 / 2024年12月15日 12時30分
山梨県富士川町が県内初の公共用ヘリポートの整備を目指している。ヘリコプターを使った遊覧飛行や、富裕層の移動手段など観光利用を想定するほか、将来的に「空飛ぶクルマ」の発着場としての活用も見込む。町は山梨県の「空の駅」として定着させ、地域の活性化につなげていく考えだ。(米山裕之)
11日午後、町を流れる富士川河川敷で、数人の外国人を乗せたヘリコプターが、遊覧飛行に向けて飛び立った。
富士北麓の景色を20分ほど楽しんだ後に河川敷に戻ってくると、機体から降りたイギリス出身で町内在住のクライブ・フランスさん(59)は、「上空から見ると富士山と富士五湖がものすごく近く感じてとても感動した。機会があればまた体験したい」と満足げに話した。
河川敷は、富士川町が公共用ヘリポートの整備を目指している「富士川町ヘリポート(仮称)」。今年10月、国から「場外離着陸場」としての許可を得たことで、この日、試験運行の第1弾としてモニターツアーを受け入れた。
自身も遊覧飛行を体験した望月利樹町長は、「富士山に上空から迫る体験は他にない経験で、富士山を見に来る外国人観光客の新たなニーズに応えることができる。県内の観光地や県外の空港を結ぶ空の拠点にしたい」と意気込んだ。
富士川町は昨年12月、町議会で「富士川リバーサイドパーク構想」を発表。富士川沿いの道の駅富士川を中心に、ビーチバレー場やアーバンスポーツパーク、農業体験広場などを整備し、中部横断道の開通で増えた人の流れを町内に引き込むことを狙う。ヘリポート整備は、その構想の中で掲げられたものだ。
ヘリポートは誰でも利用できる「公共用」と利用者が限定される「非公共用」があり、富士川町は、現状の場外離着陸場から「公共用」への「格上げ」を目指している。
場外離着陸場は正式な空港やヘリポートではなく、国の許可を得ることで、臨時にヘリコプターを離着陸させることができる場所だ。これに対し、ヘリポートは常設の施設で、利用者は設置者に申請するだけで利用できる。公共用は現在、東京ヘリポート(東京都江東区)や静岡ヘリポート(静岡市)など全国で12か所が整備されているが、県内にはまだない。
設置には、周辺住民との調整や環境影響評価などの手続きを経た上で申請し、公聴会などの審査を経て許可される。
ヘリポートは、中部横断道の増穂インターチェンジ(IC)近くに位置し、交通の利便性が高い。富士川町を訪れる観光客に対し、富士山への遊覧飛行などの商品化や、各地の地方空港と連携して観光やビジネスによる移動に活用してもらう考えだ。
モニターツアーを企画した「みのぶ農泊地域連携協議会」事務局で、旅行会社「フーディニ」(東京)の河合章雄社長は、「場外離着陸場ではその都度、航空当局への申請が必要となり、ビジネスにはならない。公共用ヘリポートの設置は観光ヘリを飛ばす必須条件だ」と力を込める。
町は今後、場外離着陸場として試験運行を繰り返して騒音の影響を調べるほか、観光やビジネスの需要を調査することにしている。
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