101回目の箱根路、「超高速」レースの予感…1万m27分台が過去最多20人
読売新聞 / 2024年12月17日 11時32分
年末も押し迫り、来年1月2、3日の箱根駅伝本番が、目前に近づいてきた。第101回大会を目指す登録メンバーの自己記録を分析すると、過去最高レベルの高速化が進んでいることが明らかになった。(編集委員 近藤雄二)
過半数の選手が29分切り
今大会の登録選手は、記念大会の前回より32人少ない336人。それでも1万メートル27、28分台は前回を10人上回り、史上最多の176人と全体の約52%に上った。箱根駅伝が新世紀に入る101回大会で、29分を切るランナーが過半数を占める、新時代に突入した。
特に目を引くのが、27分台が20人に達したこと。過去最多は前回の11人だったが、ほぼ倍増した。全体1位は東京国際大のリチャード・エティーリ(2年)で27分6秒88。日本人1位の駒大の佐藤圭汰(3年)も27分28秒50で、26分台ランナーが箱根に登場することも、現実味を帯びてきた。
その中で、上位10人の平均でトップに立ったのが中大だった。15人が29分を切り、10人平均は前回1位だった駒大を約6秒上回る28分15秒62。前回は体調不良者が続出して13位に沈み、主力を欠いた今回の予選会も6位通過だったが、優勝争いができる潜在能力があることをタイムで示した。
前回7区区間賞の吉居駿恭(3年)の27分44秒48を筆頭に、本間颯(2年)、溜池一太(3年)の3人が27分台。藤原正和監督も「(国学院大、駒大、青学大の)3強に追いすがっていきたい」と優勝争いを見据えている。
青山学院大に一挙3人
10人平均で2位につけたのが、連覇を目指す青学大。29分を切ったのは前回同様13人ながら、同大初の27分台選手が一挙3人生まれた。今季好調の鶴川正也(4年)が27分43秒33をマーク。前回2区区間賞の黒田朝日(3年)、5区2位の若林宏樹(4年)も27分台に突入し、懸案だった突出したエースの育成を果たした。
出雲、全日本は3位にとどまったが、箱根では過去10大会で7度優勝と絶妙な調整力を誇る。原晋監督も「今のところ非常に順調。箱根の次なる第一歩となる101回大会で、優勝を目指す」と自信たっぷりだ。
史上6校目の大学駅伝3冠を目指す国学院大は、前回と全く同じ27分台1人、28分台9人。しかし、10人の平均は一気に14秒近く引き上げ、3番手につけた。
エース平林清澄(4年)の27分55秒15に続き、青木瑠郁(3年)が28分2秒00をマーク。10人平均は青学大に約2秒差と、記録でも選手層の厚さを証明した。
出雲、全日本でも総合力を生かし、終盤に逆転での優勝を果たした。前田康弘監督は「復路に人材を置けるのが強み。復路のどこかで先頭に立つプランを描く」と、箱根でも逆転優勝のシナリオを用意する。
駒沢大、トップから最下位へ
他校を驚かせたのが駒大だった。10人平均が前回のトップから、一気に最下位の21位へ転落したからだ。
もちろん、実力を示す数字ではない。今季は1万メートルの競技会へ積極的に出ず、記録なしの選手が6人いた。一方、日本人1位の佐藤に続き、主将の篠原倖太朗(4年)は27分35秒05で同2位。28分36秒98にとどまる山川拓馬(3年)は全日本8区で区間賞を獲得した。
出雲、全日本でも青学大をしのぐ2位と底力を示し、藤田敦史監督は「次世代の下級生と佐藤、篠原を融合させ、総合優勝を目指す」と力強く語る。
出雲、全日本で4位の創価大は、10人の平均も4位。27、28分台は前回から2人増やし、13人で青学大に並んだ。27分41秒52のスティーブン・ムチーニ(2年)に加え、出雲2区で区間賞を獲得した吉田響(4年)を擁し、サプライズ優勝を狙っている。
10人平均で5位に入ったのが大東大。前回大会は9年ぶりのシード権獲得となる10位に入り、着実にレベルアップした。前回総合3位と躍進した城西大は、10人平均6位。3年生のビクター・キムタイ、斎藤将也が27分40秒台でチーム平均を引き上げた。中大以外の予選会組では、日大が10人平均を前回から約15秒縮め、7位と健闘したのが目立つ。
1万メートルの記録では、史上最高レベルに達した第101回大会の選手たち。大観衆が待つ新春の箱根路を、さらなる進化を遂げる晴れ舞台にしてもらいたい。
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