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北新地放火殺人3年、遺族や元患者が現場で手合わせる…息子亡くした女性「毎日涙を流してきた」

読売新聞 / 2024年12月17日 11時23分

クリニックが入っていたビルの前で手を合わせる女性ら(17日午前7時48分、大阪市北区で)=渡辺恭晃撮影

 26人が犠牲になった大阪・北新地のクリニック放火殺人事件は17日で発生から3年となった。大阪市北区の現場のビル前では朝から遺族や元患者が手を合わせ、帰らぬ人たちの冥福めいふくを祈った。

 8階建ての雑居ビルに入居するテナントはなく、4階にあったクリニック「西梅田こころとからだのクリニック」の窓は板で覆われ、看板はそのまま残っている。息子を亡くしたという女性はビル前で「息子はあの日から帰ってこず、3年間、毎日涙を流してきた。息子には、安心してくださいと声をかけたい」と涙ながらに語った。

 人間関係に悩んで退職し、クリニックに通っていた滋賀県の女性(40)は、亡くなった西沢弘太郎院長(当時49歳)に「絶対にまた働けるようになるよ」と励まされたという。ビル前に花を手向け「新たな職場で元気に働いている今の姿を先生に見てもらいたかった」と話した。

 事件は2021年12月17日午前10時15分頃に発生。院内にガソリンがまかれて放火され、院長や患者ら26人が死亡。大阪府警は、現場から搬送後に死亡した患者の谷本盛雄容疑者(当時61歳)が孤立や困窮から自暴自棄になり、大勢を巻き込む「拡大自殺」を図ったと推定。22年3月に殺人容疑などで書類送検し、大阪地検は容疑者死亡で不起訴とした。

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