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国立がん研究センターに京都大が新拠点、治験開始までの準備を半年以上短縮へ…免疫療法を計画

読売新聞 / 2024年12月17日 12時30分

国立がん研究センター中央病院

 画期的ながん治療法の開発を目指し、京都大は来年4月、国立がん研究センター(東京都中央区)内に新拠点を開設する。京大の最先端の基礎研究の成果を、国内で最もがん治療の実績が豊富な同センターで活用し、治験を加速させる狙い。同センター内に大学の出先機関ができるのは初となる。(編集委員 今津博文)

 京大は、がん免疫療法の開発に貢献した本庶佑ほんじょたすく特別教授がノーベル生理学・医学賞を受賞するなど、基礎研究に定評がある。こうした成果の実用化を促すため、2020年4月、本庶氏をトップとする「がん免疫総合研究センター」を設立するなど、がん治療の進歩に注力している。

 だが、学内の京大病院はがん治療に特化した病院ではなく、単独で治験を行う場合、患者の募集や企業など関係機関との調整に時間を要し、治験開始まで1年以上かかるのが課題だ。

 一方、国立がん研究センターでは、治験開始までの準備を半年以内に完結し、スムーズに患者を募集するノウハウが確立。患者から採取したがん組織や血液などの検体、臨床データを多数保有し、研究段階の治療法の有効性を事前に調べる体制も整っている。

 日本が世界のがん治療をリードするには、基礎研究の成果を迅速に治験につなげる必要がある。そこで京大と同センターは来年4月、共同治験の実施拠点として、京大の研究室を同センター内に開設することを決めた。

 同センターの間野博行・研究所長が京大の客員教授を兼任。今後は、京大が構想する新規のがん免疫療法の治験を同センターと共同実施することを計画している。また、同センターの医師が新拠点で学び、京大の学位を得ることも可能だ。

 拠点の責任者を務める西川博嘉・京大教授は「米国の主要ながん研究センターは、大学と一体化して成果を上げている。今回の連携で、国内でも世界トップレベルの体制を整えたい」と意気込む。

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