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名馬と日本語で心通わせ…フランス生まれのルメールが騎手人生語る〈関西発 月イチ! SPORTS〉

読売新聞 / 2024年12月18日 6時0分

2020年のジャパンカップでは、引退レースのアーモンドアイを1着に導く

 日本中央競馬会(JRA)のクリストフ・ルメール騎手(45)がJRA史上10人目の通算2000勝まで30勝(16日現在)としている。母国フランスから日本に拠点を移し、来春で丸10年。JRAでGI53勝を飾り、今年も172勝(同)で勝利数トップを走る名ジョッキーが四半世紀に及ぶ現役生活を振り返った。(聞き手・中安真人)

 ――有馬記念(GI)が近づいてきた。2005年は、追い込み馬のハーツクライを先行させ、無敗の三冠馬ディープインパクトに初めて土をつけた。

 「大きな衝撃を与えることができました。歩幅が大きい馬で、(小回りで直線が短い)中山競馬場では戦法を変える必要がありました。日本で初めての重賞勝利だったし、決断が正しかったことが証明されて、とても誇らしかったです」

 ――勇気がいる決断。

 「若い時から、アメリカやインドへ積極的に遠征しました。様々な環境に適応することで経験を積み、自信をつけてきました。だから、迷いはなかったです。自信がないと、正しい決断はできません」

02年に初来日「エキゾチックな国だった」

 ――02年に短期免許で初来日したきっかけは。

 「当時はインターネットもSNSも発達しておらず、欧州の人にとって日本はエキゾチックな国でした。先に来日していたオリビエ・ペリエ騎手(フランス)に『日本の競馬は面白い。熱狂的なファンもいる』と聞いて興味を持ちました」

 ――15年にフランスの騎手免許を返上し、日本の通年免許を取得した。

 「新しい目標に向かうには新鮮な空気が必要です。フランスでは重圧にさらされていたが、日本に来て新人のような気持ちになれました。だから、非常に早く成功したと思います」

 ――18年に215勝で年間最多記録を樹立し、6度も最多勝利騎手に輝いた。

 「それ以上に何度も負けています。負けると、なぜ負けたのかを考え、より良い成績を収めようとします。自分が最高の騎手と思ったことは一度もありません」

 ――レースで心がけていることは。

 「最も重要なのは、馬の良いリズムと呼吸を保つこと。馬が今、快適かどうかを感じ取ることが非常に大切です。09年にウオッカで勝ったジャパンカップ(GI)は完璧なレースでした。彼女はスタミナが足らなかったので後ろすぎず、前すぎず、完璧な位置取りで、07、08年と勝てなかったレースを鼻差で制することができました」

「最高の騎手と思ったことは一度もない」

 ――近年ではGI9勝(海外含む)のアーモンドアイやGI6勝(同)のイクイノックスが印象的だった。

 「共通点は、とても賢いこと。自分の仕事をよく知っています。調教中やパドックでは静かなのに、馬場に入ると、ライオンのようになります。(圧勝した23年のジャパンカップでは)イクイノックスに乗って疾走するのが、ただただ楽しかったです。いつもはレース中も多くのことが頭に浮かぶのに、重圧はどこかへ行ってしまいました。初めての経験でした」

 ――日本語も堪能だ。

 「通年免許を取る時、(NHK連続テレビ小説の)『マッサン』を見て勉強しました。彼女(外国人ヒロイン)の日本語は聞きやすかったです。今では馬に語りかける時も日本語が出ます。京都に住んで10年になります。歴史や互いを尊重する文化、禅、たくさんのお寺。気持ちが落ち着く、静かで平和な街です」

 ――今年も残りわずか。

 「落馬負傷もありましたが、7度目のタイトル(最多勝)を目指します」

(関西発 月イチ! SPORTSは、スポーツを「楽しむ」ための様々なトピックを掲載します)

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