カナダ財務相が辞任、支持低迷のトルドー政権に打撃…トランプ氏の関税政策対応巡り首相と対立

フリーランド副首相兼財務相＝ロイター

　【ニューヨーク＝山本貴徳】カナダのフリーランド副首相兼財務相が１６日、辞任した。米国のトランプ次期大統領が掲げる関税政策への対応に関し、トルドー首相と対立していた。主要閣僚の辞任は支持率が低迷するトルドー氏にとって打撃となる。

　フリーランド氏はＸ（旧ツイッター）で公表した書簡で、トルドー氏と数週間にわたって意見が対立していたことや別の閣僚ポストへの異動を打診されたことに触れ、「唯一の誠実な道は内閣からの辞任だ」と述べた。後任にはトルドー氏に近いルブラン公共安全相が就任した。

　トルドー氏は、一定以下の所得の人を対象に２５０カナダドル（約２万７０００円）を給付する考えを示していたが、フリーランド氏はトランプ氏の関税政策に備えるため、財政拡張には慎重な姿勢だった。

　カナダでは来年１０月までに総選挙が行われる。トルドー氏の与党・自由党は、最大野党・保守党に支持率で引き離されている。