お正月は餅での窒息注意、特に「煮た餅は喉にくっつきやすく」…応急手当てはまずせきをさせること
読売新聞 / 2024年12月20日 16時0分
冬、特にお正月にかけて家族や親戚と餅を食べるのを楽しみにしている人も多いだろう。気をつけたいのが、窒息事故だ。いざという時に備え、応急手当ての手順を知っておきたい。(松本彩和)
富山市消防局によると、過去3年間に18人が餅を喉に詰まらせて救急搬送された。月別でみると1月が10人で最多。65歳以上の高齢者だけでなく、8~18歳の少年や18~65歳未満の成人も搬送されており、窒息は誰にでも起こりうる。
餅を食べるときは小さく切り、ゆっくりよくかむことが大切だ。高齢者はのみ込む力が落ち、子どもは未発達なので特に注意が必要だ。食べる前には、お茶や汁物を飲んで喉を潤すことも心がけたい。同局の担当者は「特に、煮た餅はとろとろになり、喉にくっつきやすくなる。注意して食べてほしい」と呼びかける。
もしも家族や親戚が窒息してしまったら、どうすればいいのか。日本赤十字社富山県支部の林信宏・事業推進課長は「すぐに、気道異物除去の応急手当てをしましょう」と話す。
人は喉に物が詰まると、もがき苦しんで声が出せなくなったり、手で喉をつかむようなしぐさをして苦しい状態を示そうとしたりする。こうしたサインを見落とさないようにする。自分でせきができるようであれば、まずはせきをさせて異物を出させる。
せきができない場合は、すぐに119番する。そして、手のひらで傷病者の背中を強くたたく「背部
「背部叩打法」は、傷病者の両肩甲骨の真ん中を手のひらの手首に近い部分でたたくのを2~3回、繰り返す。この時、せきをするのに合わせてたたくのがポイントだ。傷病者は立った状態でも横になっていてもよく、頭は低く下げる。
「腹部突き上げ法」は、片方の手を握り拳にし、親指側をへその少し上の位置につける。もう一方の手を拳に重ね、瞬間的に下から上に突き上げる。突き上げる位置が上すぎると、あばら骨を折る危険性があるので注意する。内臓を痛める可能性があるので、異物が取り除けても必ず病院を受診しよう。
また、妊婦や腹囲の大きい人には腹部突き上げ法はできないので注意が必要だ。乳児が何らかの異物を喉に詰まらせた場合は「胸部突き上げ法」で対処する。乳頭を結んだ線上の中心の少し下を指2本で圧迫する方法で、中指と薬指で行うと、力も入り安定する。
異物が除去できず、傷病者が意識を失ったら直ちに心肺蘇生に取りかかる。口を開けてすぐ異物が見える場合は指で取り除いてもいいが、無理に取ろうとすると、喉の奥に詰まらせる恐れがある。掃除機で吸引するのは危険で不衛生なため、絶対にやらない。
林課長は「いざという場合に備え、対処法を知ることが大事。県支部では講習も受け付けているので、活用してほしい」と呼びかけている。
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