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今年の漢字また「金」ですが…額縁は五輪色・大谷選手にちなんだAのロゴなど世相反映、京都で揮毫展示

読売新聞 / 2024年12月18日 7時31分

会場には歴代の「今年の漢字」が並び、迫力ある筆致を間近に鑑賞できる(京都市東山区で)

 今年の漢字が「金」に決まった。3年ぶり5回目で、1995年から選ばれてきた歴代30の漢字の中で最多となる。SNSなどで「また金か」との声も上がるが、いえいえ、漢字を納める額縁はそれぞれの年で違うんです――。(畝河内星麗)

 公益財団法人「日本漢字能力検定協会」が漢字への関心を高めてもらおうと、1995年から公募して始まった。毎年12月に世界遺産・清水寺(京都市東山区)で最も応募が多かった字が発表され、特注の巨大和紙(縦1・5メートル、横1・3メートル)に墨書きされる。世相を表し、阪神大震災のあった95年は「震」、コロナ禍の2020年は「密」だった。

 これら歴代の大書が、漢字ミュージアム(同区)で開催中の企画展で見ることができる。1回目の「震」を始めとし、その年の10大ニュースを合わせて展示。年ごとの社会状況やブームを振り返りながら、清水寺の森清範せいはん貫主かんす揮毫きごうした漢字の迫力を間近に感じられる。

 注目は、漢字のもつ意味やイメージに合わせて特注した額縁だ。阪神タイガースが18年ぶりにセ・リーグ優勝を果たした2003年の「虎」では、金と茶色でタイガースカラーを表し、虎柄のような模様を施した。「密」は大小の丸が密集する。

 歴代の「金」も、全て年ごとの趣向がこらされている。2000年は金縁の和紙に書かれた「金」を引き立てるため、あえて黒地の額を採用し、12年は金一色とした。16年はリオ五輪にちなみ、赤や青、緑などの5色でオリンピックカラーを表現。東京五輪のあった前回の21年は日本国旗の白と赤が基調のデザインだ。大谷翔平選手の活躍を祝い、当時所属した米大リーグ・エンゼルスのロゴから「A」もあしらった。

 24年はパリ五輪・パラリンピックでの日本人選手の活躍に沸き、「政治とカネ(金)」の問題で政界が大きく揺らいだ年だった。今回の「金」は今月22日から展示されるが、額装されるのは来年2月上旬の予定。額縁のデザインはその時までの「お楽しみ」だという。

 企画展は2月24日まで。一般800円、高校・大学生500円など。今年の漢字の発案者で、協会参与の大野博史さん(82)は「漢字は日本で独自に発展してきた大切な母語。たくさんの言葉に触れて一つでも多くの漢字を知ってもらいたい」と来場を呼びかけている。

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